愛知からママチャリでコミケに行き一躍有名になった、コスプレイヤーのべし太郎さん(@DJ_FLANDRE)が、今回も意気揚々ビッグサイトへ向けて発進……したのですが、台風接近に伴い、今回はあえなく途中リタイアとなってしまいました。3回連続チャリ参戦とは行きませんでしたが、これは賢明な撤退……!
べし太郎さんがママチャリでコミケに参戦したのは2017年の夏コミ(C92)が最初。どの交通手段でコミケに行くか、Twitterでなにげなくアンケートを採ったところ、まさかの「ママチャリで行け」が1位になったのが挑戦のきっかけでした。結局、べし太郎さんは片道350キロという道のりを見事走破しチャレンジ達成(関連記事)、さらに懲りるどころか次の冬コミ(C93)にも同じくママチャリで参戦し、やはり大きな注目を集めていました(関連記事)。
3回目の挑戦となった今回は、ママチャリからロードバイクに乗り換え足回りが大幅にパワーアップ。今回は甲州街道を使った長野ルートを採用し、8月6日に愛知からビッグサイトへ向けて出発したところでした。
しかし、折悪しく関東には台風13号が着々と接近。8月7日には山梨県の甲府まで到達していたべし太郎さんでしたが、今後の天候悪化や通行止めの可能性なども踏まえ、8日午前に無念の「チャリコミケ中止のお知らせ」を発表しました。こればっかりは仕方がない……。
残念ながらチャレンジは失敗に終わりましたが、べし太郎さんに挑戦を終えての感想などを聞きました。
―― 初のロードバイクでの挑戦となりましたが、実際に走ってみてママチャリとの違いは感じましたか。
べし太郎さん:ロードバイクはやはり軽いのもあって、坂道が多少は楽だと思います。ただ荷物がカゴに詰めないので、坂道が少ないルートを通る場合や、初心者の場合はママチャリの方がいいかもしれないですね。
―― 前回まではサンダルでの挑戦でしたが、今回は普通の靴でした。このあたりはどうでしたか?
べし太郎さん:やはりサンダルより靴の方が楽でしたが、それよりも安全面的に向上したと思います。長距離移動で汗もかくので、足が臭くなる人は対策した方がいいですね。
―― 今回はなぜ長野経由のルートを選択されたのでしょう。
べし太郎さん:普段通り静岡から行くのも慣れてしまったのと、難しいといわれる長野経由を選択することで、自分への挑戦もちょっと込めて趣向を変えて選択しました。
ただ思っていたよりもコースがむちゃくちゃしんどいので、箱根3〜4個分は越える覚悟をしておいた方がいいです。市街地が少なく基本的に山道ばっかりで、市街地を見つけても泊まる場所がないとかは本当にあり得るので、前もって計画を立てておかないと大変な目に合いそうです。あと虫が多くて虫が大きいです。
―― 雨には降られましたか?
べし太郎さん:実は今回、まったくと言っていいほど雨に降られていません。運が良かったです。雨天走行は身体的にも精神的にも来るものがあるので助かりました。
―― 台風を考慮しての早期中止、勇気ある判断だったと思います。中止を決めた決定打は何でしたか?
べし太郎さん:2日目に泊まった時点で残り130kmとかだったのですが、いつも通り朝の9時くらいから出発すると、昼ごろちょうど峠に着いて山道の当たりで雨に当たるような形になります。標高も箱根より高くて1090m(箱根は730mほど)もあるので、雨の中では危険が伴いますし、土砂などで通行止めになる危険もあります。峠を越えたとしても、台風接近に伴う暴風雨は疲れた身体ではとても耐えられるものではないと判断し、中断に至りました。また日にちをずらすと、1日目のサークル参加も間に合いませんしね。
―― 賢明だったと思います。今の率直なお気持ちを教えてください。
べし太郎さん:「むちゃくちゃ悔しい!」……というよりは、もともと台風が来るのは分かってましたし「しょうがないかなぁ」という感じです。むしろ初の中央道で長野を越えて山梨県まで来た自分を褒めているところです。
―― これからの移動予定は?
べし太郎さん:現在(8日時点)山梨の甲府にいるのですが、先ほど泊まった健康ランドに会員登録したらちょうど誕生月で無料で1泊できるらしいので、もう1晩ここで過ごしてから自転車をここらに預けて、明日の朝から東京に出発してコミケにサークル参加しようと思っています。またコミケ自体が終わったら、また自転車で、今度は静岡に下ってから帰ろうと思ってます。
―― 再挑戦する予定はありますか?
べし太郎さん:時間があれば、また今回と同条件で達成したいなぁとは思っています。
―― ありがとうございました!
ちなみに今回使用しているロードバイクは、今年1月に富士スピードウェイで行われた「スーパーママチャリグランプリ」の優勝賞品とのこと。べし太郎さんによると、前回の挑戦が毎年ママチャリグランプリで連覇しているチームの目にとまり、参加することになったのだそうです。
残念ながら今回は途中リタイヤとなりましたが、コミケには予定通りサークル参加する予定というべし太郎さん(「ママチャリで愛知からコミケに行ったレポート本」も頒布予定)。Twitterではこの「勇気ある撤退」に対し、「大英断」「引き際がカッコいいです。安全第一!」など、称賛の声が多く寄せられていました。
写真で振り返るチャリコミケ2018夏
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俺の知ってる主婦と違う。