「好き」を諦めた主人公が大人になって行き詰まり…… 漫画「立ち止まっているあなたへ」に「心が揺さぶられた」「涙出そう」などの声が集まる
あなたの色はあなたの道の上にありますよ。
「好きな色と成功は違う」「他の人と違う色だと変に見える」と言われ、“好きな色”を諦めた男の子が主人公の漫画「立ち止まっているあなたへ」が多数のリツイートや「いいね!」を集め、「心が揺さぶられた」「泣きそう」等のリプライが寄せられ話題となっています。
カラフルなペンキの入ったバケツを持った男の子。「先生」に対して、「僕はこの色でこれからの道を塗りたいです!」と決意を語ります。しかし、先生は「ダメです。好きな色と成功は違うんです」と男の子の決意を否定します。「他の人と違う色だと変に見えるんです」と先生が勧めた色は、“社会”が好きな【この色】……。確かに、男の子の近くで道を塗っている人は皆【この色】を使っています。
社会が好きな【この色】だけでペンキを塗り続け、大人になった主人公はふと疑問に思います。「この道で成功したら幸せになれるのか」「これは自分が好きな色なのか」と……。でも、今さら他の色を塗る方法が判らず、この先の人生をなんの色で塗ったらいいか分からない。もう、色を変えられない。色を変えるには遅いじゃないか……。「僕の前は白紙になってしまった」と絶望して座り込んでしまいます。そんな彼のもとに、彼に似た男の子が現れます。
「この先は真っ白ですね。じゃあどんな色にもなれるんですね!」と男の子は言って、カラフルなペンキをぶちまけました。ずっと【この色】で描いてきた道に、自分のものかわからない色を目の前にぶちまけるなんて! 主人公は男の子に怒りますが、男の子は謝らず、むしろ意外な言葉を告げます。「これは【あなたの色】ですよ」と……。主人公の道を後ろからついてきたという男の子。その道の上に、カラフルなペンキが置いてあったと言うのです。諦めたはずの、好きな色が。
カラフルなペンキは「昔から好きな色ですか?」と男の子に尋ねられ、主人公は好きな色だったことを認めます。でも、大人になってから急に色を変えられるのか……不安そうに問う主人公に男の子は言うのです。「“急に”じゃないですよ。【あなたの色】はずっとあなたの道にあったんですから」
そして「ゆっくり一歩ずつ」色を変えていこうと導く男の子。それを聞いた主人公の目は【あなたの色】に染められます。なんだ、自分の人生、好きな色に染められるじゃないか……。
その後のお話では、「先生」に言われて自分の色を決めたと話す男の子の姿が描かれています。「僕はこれからの道を一番好きな色で塗りたい!」と宣言する男子。それに対して主人公は「いいね」と一言。自分の過去を思い出しているかのようです。
とても抽象的な物語ではありますが、【あなたの色】は個性を差しているように見えます。生きるためには自分の個性を抑えて横並びでいることも多く、それで立ち止まってしまい行き詰まりを感じるかもしれません。しかし人にはそれぞれカラフルな個性があります。それを出していったっていいんだよ、ということをこの漫画は指しているのではないでしょうか。
漫画の作者はTwitterやpixivでイラストを公開しているハヌル(@neulbaram)さん。以前も、努力してもうまくいかない主人公を描いた漫画「君自体が100点だよ」(関連記事)が話題になっています。
画像提供:ハヌル(@neulbaram)さん
(あまにょん)
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