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【マンガ】時代とともに消えた理由が明らか過ぎる 19世紀のドアなし・ノンストップエレベーター「パーテルノステル」

スリル感。

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 こんなに待つんだったら、いっそ階段を使った方が早かったかな―― エレベーターの前で、そんな風に思ったことはありませんか? 利用者の乗り降りのために各階でドアを開閉するからか、混んでいるときは意外と時間がかかってしまうものです。

 しかし、かつてヨーロッパでは、そんな悩みがない“ノンストップ・ドアなしエレベーター”が盛んに使われていたとか。……なにそれ怖い。

解説

 現在、一般的なエレベーターは、上下に伸びた通路上を1つのカゴが行き来する仕組み。ですが、19世紀イギリスで誕生した「パーテルノステル(Paternoster)」にはカゴがたくさん付いており、それがぐるぐる循環するようになっています。また、常にカゴが移動し続けているのも特徴で、観覧車をイメージすると分かりやすいはず。

 観覧車と大きく異なるのは、エレベーターであるため経路が縦長なことと、ドアが付いておらず、好きな階で乗り降りできること。英国シェフィールド大学にあるパーテルノステルは2つの階のあいだを13秒間で移動し、近い階の移動には便利だといいます。高速で動くわけではないのですが、ボタンを押してエレベーターを待つ必要がなく、“あのイライラ”を感じなくて済む分、快適なのかもしれません。

 しかし、案の定というべきか事故などの危険があるため、現在ではかなり数が少なくなっており、シェフィールド大学いわく「(2017年末時点で)国内には2つ残っておらず、そのうちの1つが同校で稼働している」だけとのこと。

シェフィールド大学のパーテルノステル。安全性を高める改修工事を行いながら、運用を続けているそうです

ドアがないので、乗っている人が丸見え


カゴはかなり小さめ

 ちなみに、パーテルノステルという名称は、キリスト教の祈りに関連した「我らが父(神を指す)」というラテン語のフレーズに由来。乗り降りが怖過ぎて、利用者たちが神に助けを求めてしまうから……ではなく、いくつものカゴが“数珠”つなぎになって回る様子が、祈りをあげる際に使われる数珠に似ていることから、この名がついたといわれています。

おまけマンガ



主要参考文献


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