「全て撮影当時のまま」 欅坂46「エキセントリック」のMV撮影地、「旧入須川小学校」に行ってみた:ロケ地探訪(1/4 ページ)
当時の意外な撮影エピソードなどを聞いてきました。
ミュージックビデオ(MV)やドラマの撮影地を紹介する「ロケ地探訪」。今回は欅坂46の「エキセントリック」のMVが撮影された旧入須川小学校(群馬県利根郡みなかみ町)にお邪魔し、当時の意外な撮影エピソードなどを聞いてきました。
2017年4月5日にリリースされた4枚目のシングル「不協和音」のカップリング曲として発表された「エキセントリック」。「欅坂と言えば不協和音」というイメージの方も多いかもしれませんが、「エキセントリック」はドラマ「残酷な観客達」の主題歌として使用された他、YouTubeではMVが1700万回以上再生されるなど非常に人気の高い作品です。
- ロケ地探訪第一回:ここで踊ってたのか! 欅坂46「アンビバレント」のMV撮影地に行ってみた
いざ群馬へ
撮影地の旧入須川小学校へは、東京から車で2時間30分ほど。前日に映画「響」を鑑賞したSKM21メンバーと、「あのシーンが良かった」「とにかくアルパカのキーホルダーが欲しい」「エンドロールの曲(角を曲がる)で泣いた」という話を延々と繰り返していたので、あっという間の到着となりました。
広いグラウンドに木造二階建ての校舎、そして体育館……。エキセントリックのMVで繰り返し見た光景に浮かれていると、今回の取材を快く受け入れてくださったみなかみ町観光協会の林さんと合流できました。廃校になっているため普段は中に入ることのできない校舎を、「みなかみ町に遊びに来てくれる人が増えるなら」と、特別に案内してくださいます。
タイトル〜渡辺梨加さんのピアノ演奏まで(0分7秒〜0分20秒)
それでは早速MVの画像と比較しつつ、MV撮影地を探訪していきましょう。まず校舎の外で揺れる木々が印象的なタイトルバックは、校舎2階の音楽室から撮影したものです。
入って左側にある窓際が撮影場所ですが、林さんによると「急きょゴールデンウィーク期間に撮影することが決まったので、元から生えていた木が青々していなくて。確か造園のスタッフさんが校舎の外に大きな木を持ってきたはずです。今日は木が良い感じ茂っていて良かったです」とのこと。またMVの撮影時には約100人ほどのスタッフがみなかみ町に集結していたそうです。すごい。
そしてそんな窓際にはピアノが一台置かれています。「これってまさかイントロで渡辺梨加さんが弾いているピアノでは……」とひそひそ話していたら、「そうですよ」と林さん。撮影時は窓際にピアノを移動させていたと言い、ダメもとでお願いしてみたところ、快く弾かせてくださいました。
Aメロ:教室で机に突っ伏す平手さん〜守屋さん(0分21秒〜0分36秒)
Aメロは学生机に突っ伏す平手友梨奈さんのリップシーンからスタート。長濱ねるさん、菅井友香さん、上村莉菜さん、織田奈那さん、長沢菜々香さん、米谷奈々未さん、守屋茜さんが次々に自分のパートを歌うテンポの良いカットが続きます。
このシーンは2階の5・6年生用の教室で撮影されたもの。当時はスタッフが撮影用の学習机や椅子を持ち込んだそうですが、小学生用の机と椅子が残されていたので、画角を合わせて撮影してみました。
Aメロ:渡辺梨加さん〜佐藤詩織さん・土生瑞穂さん・小池美波さんのリップシーン(0分36秒〜0分43秒)
黒板をバックに渡辺梨加さん、小林由依さん・渡邉理佐さん、志田愛佳さん・鈴本美愉さん、尾関梨香さん・原田葵さん、石森虹花さん・齋藤冬優花さん、佐藤詩織さん・土生瑞穂さん・小池美波さんのリップシーンが撮影されたのも、2階の5・6年生用の教室です。MVをよく見てみると、黒板に「(水)」「11日」と書かれているのが分かるのですが、なんとその書き込みが残されたままでした……!
Aメロ:机に突っ伏す平手さんのローアングル(0分47秒〜0分48秒)
MVのサムネイルにもなっている、机に突っ伏す平手さんのローアングルも同教室で撮影されたもの。結構椅子を引き気味にして撮影しているなど、実際にやってみないと分からないようなことが確認できて面白かったです。
Aメロ:サビ直前のプール(1分12秒〜1分15秒)
サビ直前に映し出される大雨が降っているプールは、校舎裏にあるプールで撮影されました。
今回の取材で最も大変だったのがこのプールの撮影。廃校ということもあり、人が立ち入らなくなったプールへのルートは、背丈をはるかに超える雑草が生い茂っており、プールへ行くまでに四苦八苦。林さんのサポートで何とか撮影ができました。プールの中の水は抜くことができなくなっていると言い、MV撮影時も現在も同じ水が入っているそうです。
Aサビ:教室での靴回し(1分20秒〜1分26秒)
そしていよいよ「I am eccentric」で始まるAサビです。こちらは先ほどの5・6年生の教室で撮影されたもの。今回は石森虹花さんが座っていた位置を特定して机を設置してみました。
メンバー全員が履いていたローファーを手に持って回し、最後はぶん投げるという斬新な振り付けは、7枚目のシングル「アンビバレント」まで欅坂46の振り付けをすべて担当したダンサー・TAKAHIROさんのアイデア。既存のアイドル像をぶち壊したエキセントリックのパフォーマンスについてTAKAHIROさんは欅坂46のメンバーに「0か100かだ(本当にスゴイ、となるか、全然ダメかのどちらか)」と説明していると言われており、メンバーの気迫が溢れる様子が伝わってきます。
Aサビ:廊下でたたずむ長濱さん志田さんら(1分38秒〜1分40秒/1分45秒〜1分46秒)
Aサビ終盤で廊下に佇んでいる長濱さん、志田さんらを撮影したのは1階の廊下。
林さんによると撮影条件に「校舎を濡らしても良いか」というものがあったそうですが、「ここまで濡らすとは思わなかったのでびっくりしました(笑)。でも作品を見たらとても良い仕上がりでしたね」とのこと。窓から校舎内に降り注ぐ雨は散水車で演出したそうです。
Bメロ入り前のイントロ:ずぶ濡れの手洗い場と靴棚(1分47秒〜1分48秒)
Bメロに入る前のイントロで映る手洗い場と靴箱は校舎外で撮影されたもの。靴箱は当時とほぼ同じ位置に置かれており、似た画角で撮影することができました。この手洗い場と靴棚は敷地外からも確認できるので、聖地巡礼の際にちらっと見ることは可能です。
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