日産自動車はパリモーターショー2018で、海外市場向け高級車ブランド「インフィニティ」のコンセプトカー「プロジェクト・ブラックS」を公開しました。
プロジェクト・ブラックSは、スポーツクーペ「インフィニティ・Q60」をベースとしたコンセプトカーです。これまで何度か示されたデザインコンセプトから進み、実走行できるまで開発が進められました。名前の通りつや消しブラックのボディーを基調に、鮮やかな黄色を差し色として配しつつ、迫力のある“隆々”としたデザインが魅力。いかにも高性能版、そして少しキケンな香りがする雰囲気です。そしてパワーユニットには、ルノーF1チームと共同開発したとする「デュアルハイブリッドシステム」を搭載します。
プロジェクト・ブラックSでは、通常のQ60に搭載する3リッターのV型6気筒ツインターボエンジン「VR30」と電動モーターを組み合わせつつ、さらにF1パワーユニットと同じ運動エネルギーを回生する「MGU-K」と熱エネルギーを回生する「MGU-H」の2つのエネルギー回生システムを装備します(関連記事)。こうして、F1由来の技術を注ぎ込んだ高効率のハイブリッドシステムを公道向けの市販車で実現することを目指しています。エアロダイナミクスの面でもルノーF1の手法を取り入れて、空力性能を高めています。
日産/インフィニティは2021年までに全ての新型車をハイブリッドシステムを含めて電動化する方針を示しています。F1やWECレーシングカーの高出力/高効率なパワーユニットを搭載する市販車は、トヨタ「GRスーパースポーツ」、メルセデス・ベンツ「AMG ONE」なども開発を表明していますが、これらは恐らく、限られた超富裕層向けとなる雲上のクルマになると予想されます。
対して日産が示したブラックSは「私たちにも手が届くかもしれない」と思えます。かなり具体的に次世代の市販スポーツカー/高性能車の在り方を示したコンセプトモデルなのかもといえそうですね。
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かっ飛んでいきそう……。