体にリアルなペイントを施したり、漫画やイラストを描いたり、映像作品なども制作しているチョーヒカルです。毎月、嫌がるねとらぼ編集部ののとを引き連れて変わった食べ物を食べるという食レポをしていきます。
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チョーヒカル プロフィール
体や物にリアルなペイントをする作品で注目され日本国内だけでなく海外でも話題に。イラスト、立体、映像作品などを制作。自身初の漫画『ストレンジ・ファニー・ラブ』、イラスト本『絶滅生物図誌』が絶賛発売中。
第11回目:土のフレンチ
皆さま、突然ですが土って食べたことありますか? 食べたことあるわけないだろ! と言う方が多数だと思いますが、「土」とWikipediaで検索すると「土(食材)」が検索されるほど、食材としてなじみがあるものなんですよ。
土料理が食べられるのは、品川区五反田にあるフレンチ料理店「ヌキテパ」。素材そのもののおいしさを大切にするレストランということもあり、「安全においしく食べられる野菜であれば、その野菜を育てた土もまた食べられる」との思いから土料理を提供し始めたそうです。過去には“素材そのもの”にこだわるあまり、土がついた状態のまま提供していたこともあるそう。
これまでは、“土のフルコース”を提供していましたが、無農薬の土を熱で殺菌し、じっくり煮立て、何度も裏ごしを重ねる手間や時間がかかってしまうため、現在はやっていないのだとか。フルコースで土を堪能したかったところですが、今回はハタのソテーに土のソースが添えられたものと土と砂糖だけでできたソルベをいただきました。
味は、「土は無味無臭」というシェフの言葉通り、料理の邪魔をしない仕上がり。ざらっとした舌触りはありますが、全く気になりません。ソルベは、ほのかに甘味を感じる程度の優しい仕上がりで、まるであんこのような濃厚さもあり、ほぼ土だけでできているとは思えないおいしさ。もはやどうにかすれば何でも食べられるんじゃないかと思ってきた……。
チョーのあとがき
土を食べるなんていうと、正気か? と思われてしまいそうですが、昔の人は土を食べることもしばしばあったとか。特に山あいの人々は、ミネラル補給のために食べていたそうです。
土を食べると聞いたときは、また不思議な感じのお店に行くのだろうと思っていたのですが、
着いてみたら、まさかの由緒正しきフレンチレストランでびっくり。ゲテモノデートの取材で、テーブルクロス初めて見ました。
しかも6品のコースのうち、土が使われているのは2品(日によって変わるらしいです)。最初の数品が運ばれてくる間は、たくさんのゲテモノを食べてきたせいか、「ただフレンチ食べに来た人じゃん!」と謎の焦りを感じましたが、最後に土をダイレクトに使った料理がきてくれていつものゲテモノ連載っぽくなったのでほっとしました。
シェフによると、どんな料理にも合うとのこと。ミルキーな味がしたのにはびっくりしました。土が最初から食材として提供されていたら、普通に受け入れられていただろうなと思いました。
もう生き物ですらないものも食べ始めたゲテモノ連載。世界は驚きで満ちています。
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本物の脳みそも見せてくれました。