「冷蔵庫の中に入れっぱなしになっているアイスクリーム、賞味期限ってあったっけ……?」「ピーナッツがナッツじゃないってどういうこと?」 今回は、過去に紹介した「意外と知らない食べ物の雑学」をまとめてお届けします。
「アイスクリームは賞味期限がない」って、結局どういうことなの?
アイスクリームには、実は賞味期限がありません。基本的に、加工食品は消費期限、賞味期限のいずれかを記載するよう定められているのですが、これには一部例外があるのです。
「加工食品品質表示基準」を見ると、「品質の劣化が極めて少ないもの」に関しては「賞味期限及び保存方法」を省略してもよいとされています。この「品質の劣化が極めて少ないもの」には食塩、チューインガムなどに加え、「アイスクリーム類」が該当。
日本アイスクリーム協会によれば、「温度管理がきちんとされていれば、細菌が減ることはあっても増えることはなく、長期間保存しても品質変化は極めてわずか」だといいます。ただし、冷蔵庫の開け閉めなどでも品質は劣化するので、おいしく食べるには購入後なるべく早く食べるのがおすすめとのこと。
「ピーナッツはナッツではない」といわれる理由
ナッツとは、かたい殻に覆われた果実や種子を指し、空中に実がなることも特徴のひとつとされます。では、ピーナッツはどうでしょうか。「かたい殻に覆われた果実や種子」という点は該当しそうですが、マメ科の植物で、実のなり方が大きく異なります。
ピーナッツには「落花生」という呼び名がありますが、これはそもそも「“花”が“落”ちた後、子房が地面にもぐり、土の中で豆ができること」に由来。つまり、実がなるのは空中ではなく、地中なのです。
ちなみに、アレルギー対処の分野でもピーナッツとナッツは別物として扱われ、分かりやすく区別するためか、カシューナッツなどが「樹木ナッツ」と呼ばれる場合もあります。
“ラムネ”が今の名前になった、ちょっと変わった理由
日本に炭酸飲料が伝わったのは、ペリー提督を乗せた黒船の浦賀来航(1853年)。炭酸入りのレモネードが、江戸幕府の役人たちに振る舞われたそうです。
その後、国内製造がスタートし、レモネードの作り方を学んだ長崎県の商人・藤瀬半兵衛が「レモン水」という名称で販売。しかし、この表現は広まらず、代わりに定着したのがレモネードがなまった「ラムネ」といわれています。
また、明治時代には「ラムネ=レモン風味」「サイダー=りんご風味」と違いがあったものの、今ではその区分もなくなってしまったとか。英語版Wikipediaを見ると、ラムネはそのままローマ字表記にした「Ramune」として掲載されています。
小学生でも分かる「炭酸飲料にはアルミ缶が使われやすい理由」
缶飲料の容器にはスチール缶、アルミ缶があり、お茶やコーヒーなどではスチール缶が、炭酸飲料ではアルミ缶が採用されることが多いといわれています。では、なぜこのような使い分けが行われているのでしょうか。
その理由の1つは、缶内の“液体”ではなく、“気体”にあります。炭酸以外の缶飲料では、飲料の酸化などを防ぐため、缶内に空気が入らないように水蒸気を充填しています。このとき、缶を加熱してから冷やすと、缶内部の圧力が低下するため、強度の低いアルミ缶ではつぶれてしまうのです。小学校の実験でも行うことですね。
ちなみに炭酸飲料の場合は、飲料から抜ける二酸化炭素のおかげで「水蒸気を充填する」という工程が必要ないため、軽くて扱いやすいアルミ缶が使えるというわけです。ただし、最近は窒素充填技術などの進歩により、素材の使い分けの必要も減っているそうです。
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