2018年12月17日発売のマガジンエッジ1月号で『ヒプノシスマイク -Before The Battle- The Dirty Dawg』が連載開始。作中で新たな設定が次々明らかになったことでファンがざわついている。一時は「解釈違い」がTwitterトレンドに入り続けるほどで、ジャンル外のみなさんも「何かが起こっているらしい」と思ったのではないだろうか。
ごきげんよう。以前「ヒプノシスマイク -Division Battle-」(以下ヒプマイ)についてプレゼンさせていただいた者です(関連記事)。推しはシンジュク・ディビジョン(特に観音坂独歩)です。
自推しはコミカライズにはまだ登場していないので、他を推しているファンよりは比較的心安らかではあるものの、それでもヒプマイというジャンルを半年近く全力で追いかけてきたので、いろいろと衝撃を受けた。
なぜヒプマイクラスタは、コミカライズに大きな衝撃を受けたのか――。1ヒプマイクラスタの視点で書いていこうと思う。なおこの記事は『ヒプノシスマイク -Before The Battle- The Dirty Dawg』第1話の盛大なネタバレを含むため、ネタバレNGな方はご注意ください。
最近のヒプマイってどんなだったの?
その前に、最近のヒプマイの展開をおさらいさせてほしい。
「ヒプマイ第二章」と言われるBattle Seasonが12月12日に決着。激戦の末、ヨコハマ・ディビジョン「MAD TRIGGER CREW」に勝ち抜いたシンジュク・ディビジョン「麻天狼」による新曲の制作が発表された。
このBattle Seasonの投票はCDを買うとついてくるバトルカードから行われるため、推しのディビジョンに勝利を!とクラスタたちが奮起。各所でCDの品薄状態が続くほどのとんでもない熱だった。結果はヨコハマ5万2840票、シンジュク5万3769票ということだったので、このCD不況時代にざっと10万枚以上のCDが売れていることがわかる。
さらに2月27日に発売されるシンジュク・ディビジョンのCDのカップリング曲がThe Dirty Dawg(以下TDD)名義――各ディビジョンのリーダー、飴村乱数、神宮寺寂雷、碧棺左馬刻、山田一郎がかつて組んでいたチーム――ということで、クラスタの興奮はもう最高潮。
その矢先のコミカライズ連載開始であった。
供給量の差に耳がキーンてなる
2017年10月のコンテンツ誕生から約1年2カ月。ヒプマイにはあらすじというものが存在しておらず、下記の説明が公式サイト(うち一部はPV内でも)で提示されているのみ。舞台設定については本当にこれ以外の情報がほとんど存在していなかった。
「H歴 武力による戦争は根絶された…争いは武力ではなく人の精神に干渉する特殊なマイクにとって代わった。その名も【ヒプノシスマイク】このマイクを通したリリックは人の交感神経、副交感神経等に作用し、様々な状態にすることが可能になる」
「男性は中王区以外のシンジュク・ディビジョン、シブヤ・ディビジョン、イケブクロ・ディビジョン、ヨコハマ・ディビジョン等の区画で生活をすることになる。各ディビジョン代表のMCグループがバトルをし、勝った地区は決められた分の他の領土を獲得することができる」
――これが、ファンが知ることのできるヒプマイの世界設定のほぼ全てだった。
なぜ武力による戦争が根絶されたのか? 4つのディビジョン以外にディビジョンは存在しているのか? 領土を獲得して一体何になるというのか? そもそもヒプノシスマイクとは一体何なのか? この辺の設定について、クラスタたちは1年以上ひたすら想像することしかできなかった。立ち絵も各キャラ3枚ずつしかないため、いまだに「夢野幻太郎の服、どうなってんの?」などビジュアル面の謎も多い。私も独歩の仕事用のカバンはどんな感じなんだろうかということがずっと気になっている。
先日ヒプノシススピーカーという新たな設定が公式サイトならびにTwitterから発信された際も「ヒプノシススピーカーって何?」「ヒプノシススピーカーだ!」「わーい! ヒプノシススピーカー!」「ヒプノシススピーカーって何?」とクラスタたちは大層ざわついた。いまだにヒプノシススピーカーが何かということについては十分な説明はなされていないが、1年前のきゃらびぃ(アニメイトで買い物をするとあの青い袋に入れてもらえる冊子)によるとヒプノシスマイクを起動すると現れるスピーカー、ジョジョで言うスタンドのようなものであるらしい。だがこれも真偽のほどは定かでない。
何が言いたいかというと、1年前のきゃらびぃを引っ張り出さなければならないほど設定についての説明がないジャンルだったのだ。ヒプマイは。そしてクラスタたちは、目を皿のようにして世界観やキャラクターの情報を求めていた。
それがここにきてなかなかの情報量の設定が明らかになった。超音が小さいASMR動画を見ていたら、急にとんでもない音圧のヘヴィメタが流れ始めたみたいなびっくり加減だ。この例えが適切かについて自信はないが、ともかくみんな超びっくりしたのである。「てっきり〇〇だと思っていたら違った」みたいな状態が連発、さながら爆竹100万個入りスーパーびっくり箱カーニバルだった。
では具体的に、クラスタは一体何にびっくりしたのか?
びっくりポイント1:「2年前からだったの!?」
まず第一のびっくり要素はヒプノシスマイクという装置の登場が2年前だったということだ。てっきり彼ら12人のキャラクターは、ずっとそういうルールの中で生きてきたのだとばかり思っていたのに。
なぜそう思っていたのかというと2つ理由がある。1つはCDのドラマパート「シンジュク・ディビジョン麻天狼 Drama Track1」の中で発された神宮寺寂雷のせりふだ。チーム結成前の伊弉冉一二三と観音坂独歩に対しての「君らも男ならラップできるだろう?」という発言。単純にパワーワードすぎる。
2つ目はBuster Bross!!!・MAD TRIGGER CREWの楽曲「WAR WAR WAR」。碧棺左馬刻が「昔から変わらず鍛えぬいたマイク!」と歌詞の中でかっこよく言い放っている。主にこの辺りからクラスタたちは「なるほど! ラップは男性ならば必ず履修するものなんだな。幼いころから授業とかあってそれぞれの芸風でマイクを鍛えぬくんだな」と読み取っていた。
だが違ったということが今回明らかになった。ヒプノシスマイクが登場したのは2年前。2年間で男たちはマイクを握るようになり、ラップの腕を磨き抜くのが当たり前になっていたのである。
びっくりポイント2:「え? 女性もラップできたの!?」
さて、彼らがすごい勢いで握るようになった「ヒプノシスマイク」。それ自体にもびっくりがあった。
我々はずっと「ヒプノシスマイクは圧倒的女性優位の世界で男性に唯一許された武装であり、男性に残された最後の切り札」みたいな感じかと思っていた。しかしコミカライズ第1話で、女性である東方天乙統女がラップで前総理大臣をボコりはじめた。もうびっくらこいた。「乙統女さん実は男性なのでは?」とまで一瞬疑ったほどだ。よくよく考えると男性だけがヒプノシスマイクによるラップを行使できるとはどこにも書いていないのだが……。
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