日産自動車「リーフ」(315万360円から)
世界初の量産EVとして2010年に発売された日産自動車の「リーフ」は、EV史上初となる累計40万台の販売を2019年3月5日に達成しました。1つの見方では「世界で最も売れているEV」とも言えるでしょう。
2019年3月現在、現行モデルは2017年にフルモデルチェンジを受けた2代目です。標準モデルの他に、大容量バッテリーを搭載した「リーフ e+」やスポーツグレードの「リーフ NISMO」も用意し、早くもニーズの多様化に応える多モデルのシリーズにまで成長してきています。
通常モデルの航続距離は最大322キロ。追加されたe+モデルは約40%アップの同458キロに伸び、出力も150馬力から218馬力にアップします。また、リーフの特徴的な機能として挙げられるのが「e-Pedal」です。e-Pedalはアクセルオフで自動的に回生ブレーキと油圧ブレーキの両方を適切な配分で掛けるという機能で、ワンペダル操作が可能になります。
ちなみにこのコンパクトカークラスには、近くホンダも100%EVを投入予定です(関連記事)。それが「Honda e」と呼ばれるEVコンパクトハッチ。2019年初夏に欧州で予約開始予定としています。良きライバルになりそうです。
三菱自動車「i-MiEV」(294万8400円から)
2009年に登場した三菱自動車の「i-MiEV」も息の長い国産EVです(個人向けは2010年発売)。
i-MiEVは、かつて販売されていた軽自動車「i」のEV版。ガソリン車は2015年に販売終了となりましたが、i-MIEVは継続され、2018年4月には新たな安全基準を満たすためのマイナーチェンジが行われました。細かい点ですが、この際に歩行者保護のためにバンパー形状が変わり、全長が伸びた影響で現行モデルは軽ではなく登録車(小型自動車)扱いとなっています。
走行距離は最大164キロ。前述したEVの他モデルに比べれば見劣りしますが、EV時代の到来に向けてこのクルマが果たした役割は決して小さくありません。例えば、自治体の公用車やマラソン大会の伴走車、各種実証実験、タクシー会社への導入など、さまざまな形でEV導入の道筋をつけました。
また、プジョー「iOn」、シトロエン「C-ZERO」として海外メーカーへのOEM供給も行いました。海外では特に、カーシェア車両として違った形で新時代のクルマの在り方を支えています。
トヨタ車体「コムス」(78万5000円から)
最後は少し趣向を変えて、トヨタ車体のパーソナルモビリティ(ミニカー)「コムス」を紹介します。この価格帯ならばすぐ買える! という人が増えるでしょうか。
「自転車やスクーター以上、軽自動車未満」のパーソナルモビリティは、都市部の移動に適した乗り物です。コムスはミニカー登録車で、1人乗り。セブン-イレブンの宅配サービスなどにも活用されています。
価格は78万5000円から。1人乗りなので用途はかなり限られますが、税金が原付クラスと安価なので、スクーターやバイクのような感覚で趣味的に乗っている人もいます。YouTubeなどで多くの走行試乗動画が公開されているので試しに見てみてください。本当にちょっと欲しくなってしまいます(笑)。
それでも「いや、やっぱり電気自動車はまだまだ高い」「実用性がなければ」と思うかもしれませんね……。一般的には、みんなが買うくらいに一般的になって、量産効果が出ること。そしてEVにおいてはコスト課題の多くを占めるバッテリーの性能が飛躍的に上がれば価格はこなれてくるといわれています。
それとは別の観点ではいかがでしょう。昨今は「購入する(所有する)」を考えなくても良い時代になってきています。「使いたいときだけ借りればいい」のです。
この手のパーソナルモビリティ(関連記事)は、小型で手軽なことから、シェアリングサービス用車両として導入されてきています。都内ではパーク24が運営する「TimesCarPLUS×Ha:mo」(関連記事)で、このコムスやトヨタ「i-ROAD」を借りられます。欧州でも、シトロエン「Ami One」(関連記事)のような超小型EVがシェアサービス用に特化して開発されています。
近未来のクルマ生活における高いか安いかは、EVかそうでないかといった車両の仕様や商品価値から、「サービスとして便利かどうか」で決めるようになってくるのかもしれませんね。
最後に「今すぐ買えるフルEV」のフォトギャラリーもどうぞ。
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