長く腐女子をしていると、この先腐女子をやめるつもりもなければ、普通の生活に戻れるとも思わないものです。腐女子の作者が描いた、老後は腐女子専用老人ホームで即売会したり薄い本を形見分けしたりしながら過ごしたいという、希望あふれる漫画が話題です。
腐女子を通り過ぎて腐婆婆(ふばーば)となった女性たちが暮らす老人ホームでは、他の老人ホームとは違うところがあります。それは「形見分けの会」という風習があることです。「形見分けの会」は亡くなった入居者の四十九日法要が過ぎたころに行われ、遺された同人誌やグッズを仲間で形見分けします。遺されたものを分けながら、彼女が愛したジャンルのことに思いを馳せて、故人をしのぶのです。しかもこの老人ホーム、名前を呼ぶときは本名ではなく、ペンネームまたはハンドルネームのようです。
この老人ホームでは認知症の進行を遅らせる一環として、定期的に同人誌即売会が行われています。「形見分けの会」では、逆カプ論争をした相手の本をこっそり通販で買っていたという事実が判明するなんていうことも。生前もっと素直になってほしかった……。
もちろん掘り出し物の薄い本が見つかることもあります。しかし年齢制限の壁がこんなところにも立ちはだかります。表紙を良く見てみるとなんと「R80」の文字が! むしろ気になる80禁本の中身! そして形見分けで最も命がけとなるのは、やはり地雷カプ本。地雷カプ本を読んでしまったがために泡を吹いて倒れてしまうことも、このホームならではかもしれないですね。そんな大変なこともあるけど、やっぱり楽しそう!
死ぬまで腐女子を貫くつもりの腐女子にとっては、こんな老人ホームがあったら喜んで入所したいところ。この漫画に読者からは「ぜひ入りたい」「腐のものを安心して残して逝けるなんて……」などの入居希望者からの声のほか、現役介護職からの転職希望も届いています。
こんな老人ホームが本当にあったら、ある時は推しカプについて語り合い、ある時はマナー違反について語る学級会が起きたり、楽しい毎日が過ごせそうですね。
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