錆びた鉄斧を磨きあげ、ジャイロつきに改造する動画が注目を集めています。動画の制作者は、パスタ(関連記事)や木(関連記事)で包丁を作ったりしている、圧倒的不審者の極み!さん。作業の様子はとても丁寧で、職人気質を感じることができます。
動画の最初には、ハンドスピナーが登場します。投稿者コメント欄によると、圧倒的不審者の極み!さんはハンドスピナーを回しているうちにジャイロ効果を感じ、オノと組みあわせることを思い付いたとのこと。そしてそのオノでキュウリを切りたいらしいです。完全にオーバースペックだと思われますが、うまくいくでしょうか?
改造のベースになるオノは、とある老人宅でいたただいたものといいます。びっしり錆にまみれているので、まずはそれを落としていかなければなりません。手作業で磨いていくうちに、ヒビを発見。しかしそれらのヒビは浅かったようで、ヤスリで表面を削っていくうちになくなりました。
ピカピカになると、錆転換コーティング剤を塗布。黒錆は鉄の表面を滑らかにして酸化を防ぎ、赤錆を防止する効果があります。コーティング剤を吹いてしばらくすると、オノの表面がキレイな黒色に覆われました。
オノの表面処理が終わると、研ぎの行程に移ります。砥石で刃をつけなおしてから、耐水ペーパーで表面を整えていきます。#2000、#12000、#30000と、目の細かいものに変えていくことで、刃の表面が鏡のように美しくなりました。
もともとあった柄の一部が、刃の中に埋まっています。そこに穴を開けて、金属パイプの新しい柄を通します。オノの柄の側面にあたる部位に穴を開け、さらに固定。固定に使用したネジで余った部分は、金ノコギリで切ってからヤスリで磨き仕上げています。
自転車のキャリパーブレーキにブレーキレバー、ダンベルの重り、ベアリングを追加していきます。本作のテーマ、ジャイロにあたるパーツですね。回転させる重りだけでなく、それを止めるためのブレーキまで用意しているところに、並々ならぬ執念を感じます。
完成品を振るう前に、ジャイロ効果を検証。検証には冒頭のハンドスピナーを使用しています。ハンドスピナーの中央をばらし、そこに棒ネジを入れます。上から吊した糸に棒ネジの端を固定すると、スピナーの部分が重いので、もちろんスピナーが下に垂れます。しかし、ディスクグラインダーを利用してスピナーを回してから同じことをすると、ジャイロ効果が働き、一方の端しか固定していなくても棒ネジが横になったまま。
ちなみに、ジャイロを回転させた状態で棒の片方の端を固定すると、棒は横になった状態のまま、ゆっくり水平に回りはじめます。ジャイロを時計回りに回転させたら、棒ネジも上から見たら時計回りになるように回転。ジャイロを反時計回りに回転させると、同様に棒ネジも逆回転になります。
オノに搭載したダンベルの重りを、ディスクグラインダーで回転させます。高々と掲げて、準備完了。オノを振りおろすとキレイな軌跡を描き、刃がキュウリの上に落ちていきます。見事、両断。大成功ですね。
さらに、もう一度振りおろします。今度はキュウリから少し離れた地面に刃が突き刺さりました。掘り起こすと、石の包丁が……。実は圧倒的不審者の極み!さんは、川から石を拾ってきて、それを別の石を使い手作業で磨きあげて、石の包丁を作っていたことがあるのです。真っ二つになってしまった石の包丁は、そのまま地面に埋めて墓標を立てました。
画像提供:圧倒的不審者の極み!さん
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