岡田准一さん主演で6月21日公開の映画「ザ・ファブル」。裏社会で活躍する伝説の殺し屋“ファブル”が「1年間、誰も殺さず一般人として普通に暮らす」というミッションを描く同作は、ダイナミックなアクションシーンが見どころの1つです。
そんな中、ねとらぼ編集部に同作のアクション体験企画のオファーがあり、実際に体験してきました。体験したのは、ねとらぼライター陣の中でも屈指のゆるふわ系さんぽブロガー、中川マナブさん。都内の公園で待ち合わせていると、散歩しながら登場です。
普段の運動らしい運動といえば、毎日の散歩だと話す中川さん。アクションとは縁遠い、ある意味「ザ・ファブル」の主人公である佐藤明(アキラ)と同じような生活を送っているともいえる中川さんと、都内のスタジオに移動しました。
この日、アクションを指導してくれたのは、映画「ザ・ファブル」のアクションシーン全体を構築/管理する“スタントコーディネーター”として参画したMOAIの富田稔さん。富田さんは「牙狼」シリーズなどでもアクション監督を務めた人物です。
スタジオに着いてあいさつもそこそこに、まずはアシスタントの方を相手に即興の殺陣を披露してくれた富田さん。いきなりガチです。
富田 ファブルは無駄な動きが全くなく、6秒以内で相手を仕留めるんですよ。岡田さんからは「どんな動きでもできるから、その中でトミー(富田さんの愛称)が見せたいアクションをやろうよ」といわれてたので、本当にやりやすかったです。
聞けば、岡田さんは劇中、ほとんどスタントなしで撮影に臨んだとのこと。岡田さん、かっこよすぎる。
そして、富田さんによる本格的なアクション指導がスタートしました。
富田 本来ならナイフで首を切って終わりですけど、ファブルは1年間の休業生活中で殺すことができないので、このアクションは相手からナイフと拳銃を奪い取って、殴って気絶させるものです。
中川 ナイフを奪い取るのがなかなか難しいですね。
富田 手首を当てながら大きい円を描く感じでクルッとひねり上げるのがポイントです。手首は実戦でもよく使うんですよ。
続いては、劇中でも使用したモデルガンを使って、3人を相手にした早撃ちアクション。拳銃の持ち方がそれぞれ異なる3人に対面したとき、一瞬でそれを判断し、どのような動きをするかが変わってくるのだそうです。
富田 相手の拳銃の持ち方によって、優先順位を決めて撃つ順番を瞬時に判断します。特に2人目、3人目は撃たれないように体勢を左に動かしながら撃つのがポイントです。
中川 体を動かしながら撃つのは、なかなか難しいんですね。バランスが崩れちゃう。
富田 この動きは岡田さんがめちゃくちゃうまいんですよ。
続いて、ゴム製のナイフを持った富田さんを相手にしたアクション。
富田 身長によって腕の長さや距離感が違うので、その人の体形にあった間合いや技をシーンごとに現場で変えていました。
中川 こんなシチュエーション、普段ないから手が震えますね。
富田さんからひととおりのアクションを指導いただいたところで、中川さんにはファブルと同じように黒い覆面をかぶってもらい、いよいよ実戦アクションのスタートです。覆面を着けると急にスイッチが入る中川さん。気分はもうファブルです。
まずは、早撃ちアクションから。
そしてナイフアクション。
中川 キエエエエエーーーーーッ!! ハッ!! 体が勝手に……。覆面かぶるとテンションが上がりますね。
富田 ハハハ! なかなか筋が良かったですよ。
この作品は、映画「ボーン・アイデンティティー」や「96時間」シリーズでアクション監督を努めたフランス人のアラン・フィグラルズが“ファイトコレオグラファー”として参加。富田さんは、アクションが作品の方向性として合っているかどうかを岡田さんやアランとともに判断する重要なポジションだったそうです。
富田 アランとは最初に、アクションの「(打撃)音」を分かりやすく表現できるようにしようと話をしました。岡田さんは今まで仕事した俳優の中でも、身体能力が高く、アクションを熟知していて、そこにフランス人のアランが動きを付けたことで、フランスと日本のアクションがちょうどミックスされた今までにないリズムの「(打撃)音」になっていると思います。
中川 確かにクライマックスのバトルシーンは、これまでの日本映画にはないアクションのリズム感で見応え十分でした。
富田 クライマックスのバトルシーンは、アクション部分だけでも1〜2週間はずっと撮ってました。狭い中で岡田さんを初め、福士蒼汰さん、柳楽優弥さん、向井理さんら100人が一斉に動くシーンは見どころの1つです。
ジャッキー・チェンと一緒に仕事がしたくて、スタントマンの世界に飛び込んだという富田さんがスタントコーディネーターを務めた「ザ・ファブル」は、まばたきを忘れてしまうほどスリリングなアクションシーンが最大の見どころ。アクションに加えて、コミカルな笑いとリアリティーのある人間ドラマが織りなすストーリー展開にも注目です。
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