「緊急取調室」第3シーズンラストに炸裂した“吉田鋼太郎劇場” キントリ再編成なるか? 有希子と梶山の関係は? 早くも第4シーズンが待ち遠しい(1/2 ページ)
「エーイ」まるでto be continued。
昨日、6月20日に放送された「緊急取調室」(テレビ朝日系)の第10話(先週放映の9話の後編にあたるストーリー)。第3シーズンのラストにさく裂した“吉田鋼太郎劇場”は、保身に走る人間の愚かさを見せつけた。
最終回あらすじ「うしろめたさで救助した2人をしつこく説教する聖職者」
同窓会で同級生らを毒殺した罪で起訴された被告人・北山未亜(吉川愛)と、医大キャンパスで起こった同級生刺殺事件の被疑者・藤井卓生(坂東龍汰)。2人が2カ月前、かつて山のキャンプ場を襲った土砂崩れから救出してくれた地元中学の元校長・染谷巌(吉田鋼太郎)と会っていたことが判明した。
真壁有希子(天海祐希)ら「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」は真相を明らかにするため、未亜を徹底的に追及。未亜は同窓会の飲み物に毒物を混入した理由を「校長への警告」だと説明した。ちょうどその頃、染谷の話を聞くため伊弉冉沢に向かった梶山勝利(田中哲司)と連絡が取れなくなる。
キントリは事件の謎の鍵を握ると思われる染谷の取り調べを開始。すると、染谷は医大生殺害をあっさり認めた。藤井を殺すつもりで、誤って別の学生を殺してしまったというのだ。土砂崩れ事故で犠牲になった妻と教え子の今井はるか(今村美乃)に何の感情も抱かない未亜と藤井。2人に対し「私が始末をつけなければいけない」と思ったのが犯行の理由だと染谷は自供する。しかし、事実はそれだけではない。事故直前、未亜と藤井は染谷とはるかが抱き合う場面を目撃していた。事故に遭った未亜は、2人の関係を推し量った上で「先生が大事な人を助けてあげたら?」と言い、染谷は未亜と藤井を優先して救助した。不倫にはいたってなかった、だが染谷がはるかにひかれていたのは事実だった。
「自分のやましさが原因で、奥さんと、そして深い関係にあった教え子が死んだ。せめて、助かった2人には立派な人間になってほしかった。そうでなければ、死んだ奥さんたちに顔向けできない。だから、あなたは2人に連絡を取って、手を合わせようとさせたりしつこく説教したんだ」(小石川)。
事件を解決し、居酒屋で労をねぎらうキントリ・メンバーの元に刑事部長・磐城和久(大倉孝二)が現れ、このメンバーで継続できるように上層部と交渉することを約束した。
狂気を熱演する吉田鋼太郎
今回の事件のきっかけは、染谷とはるかが抱き合っている場面を未亜と藤井が見てしまったことにある。不倫ではない。元担任の親心で相談に乗り、そして教え子を抱擁した。しかし、心が傾きかけている自分がいる。恋心を自覚している。その葛藤を未亜に見透かされたから、自分を正当化したかった。
未亜からすると、単なる不倫にしか映らない。その視線に堂々とできない染谷がいた。
「先生が大事な人を先に助けてあげたら?」(未亜)
身の毛もよだつような脅しである。不倫を嫌悪する未亜は染谷を軽蔑し続けた。うしろめたさのあるアンタなんかに、命も人生も説かれたくない! 図星だから染谷はうろたえ、正義の人を演じようとした。ずっと正しく生きてきたから一度の間違いが認められず、保身はそのまま狂気に転じた。
自分を正当化したのは未亜も同じだ。彼女はいじめてきた者への復讐のために毒を盛った。
「何人かがお腹でも壊せば、それでよかった。なのに……」(未亜)
そうだろうか? 夾竹桃の毒性について、染谷からうるさく説明されていたはずだ。10話は、保身を選んでしまう人間の愚かさを描く内容だった。
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