吉本興業の岡本昭彦代表取締役社長が7月22日に都内で会見を開き、「闇営業」問題について記者からの質問に答えました。会見には、岡本社長の他、代表取締役副社長の藤原寛さん、吉本興業ホールディングスの法務本部長・小林良太弁護士らも登壇しました。
岡本社長はまず「本日は昨日の選挙が終わり、皆さま大変お忙しい中、弊社の件でお集まりいただき申し訳ございません。まずなによりも、今回、反社会的勢力からタレントが金品を受け取ってしまったことに関しまして、事務所を代表しまして深くお詫び申し上げます」と謝罪。続いて、宮迫さんと亮さんに対しても「ああいう記者会見させてしまったことに関しまして、2人に対して深くおわび申し上げます」と頭を下げました。
合わせて、処分の撤回を宣言。宮迫さんについては契約解除の撤回、亮さんについては契約を解除するまでは至っていないものの、処分をもう一度見直していきたいとコメント。そして2人が良しとしてくれるならミーティングの席に来てもらって話し合いをするとともに、「いつか戻って来るならサポートしていければ」と話しました。
記者質問の前には、今後の吉本興業の目標として「コンプライアンスの徹底」「芸人・タレントファーストで物事を考える」の2点を提示。コンプライアンスについては、これまで年2回のコンプライアンス研修、24時間のホットライン、コンプライアンスについてまとめた小冊子などを整備してきましたが、今回の件を受けて、反社会的勢力の排除などを含めた共同確認書を社員全員と取り交わすことを約束しました。
芸人・タレントファーストについては、「関係した芸人たちの意志が定まらない状態で記者会見を行うことは芸人たちを傷つけたしまうと考えた私と、1日も早く謝罪したという芸人たちの間で正しい意思疎通ができなかった。つらい思いをさせて申し訳なかった」と謝罪した上で、「日々の業務に追われ、真摯(しんし)に耳を傾けることを怠っていた。一から見直していく所存であります」としました。
また、社長として至らなかったことを反省し、大崎洋会長とともに1年間の50%減俸をするという処分を報告しましたが、辞任はしない意向を示しています。
続く記者質問で、7月20日の会見で話題になった「テープを回してないだろうな」という発言について聞かれると、場を和ませるための冗談で言ったものと回答。また、「全員連帯責任でクビにする」「俺は全員をクビにする力がある」といった発言については、「僕自身は全く圧力をかけたつもりはなくて、父親が息子に『お前、勘当や』というつもりみたいな……」と言葉を濁しました。
また、「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本が株主やから大丈夫」という発言については、その場に居合わせていたという小林弁護士が代弁。発言があったのは、7月12日の面談のときで、宮迫さんと亮さん、宮迫さんたちの弁護士の4人、そして小林弁護士と吉本興業側の顧問弁護士の3人で話し合いが行われ、亮さんの方から会見を生中継したいと打ち明けられ、吉本興業側の弁護士から宮迫さんたち側の弁護士へ、「生中継するとしてもどういった時間帯にするのかを配慮しなければならない」という意味で伝えたものだったと回答しました。
吉本興業が反社会的勢力(一部では、「CARISERA(カリセラ)」という名のエステサロンとの情報も)の協賛イベントに関わっていたかについては、事前に用意してきたフリップを用いて説明。岡本社長によると、「イベント会社からの依頼でタレントを派遣したが、そのイベントに出資した企業が特殊詐欺集団のフロント企業だった。当該イベントを主催した会社は反社ではなかったが、その先までチェックができておらず甘かった」と反省の弁を述べました。なお、この件については警察にも報告しており、現在調査を進めているとのことです。
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宮迫さん「間接的ではありますが、金銭を受領していたことを深く反省しております」。