東京2020組織委員会は、「扇(おうぎ)」をモチーフにした東京2020パラリンピックメダルのデザインを発表。大会史上初めての仕様だという、各メダルの違いとして触れてわかる“くぼみ”がメダル側面に施されています。
人種や国境を越えて、人々の心を一つに束ねてくれるアスリート自身を、扇を束ねる「要(かなめ)」で表しており、また扇面には人々の心を生命力として捉え、日本に生きる自然(岩・花・木・葉・水)で表現。さらに扇面の高低差だけでなく、自然風景の描写にはそれぞれ異なる加工を施し、触れたときの質感の違いが面白く感じられるデザインとなっています。
特徴として、メダル側面には英語で刻印される各競技名のほか、金メダルには1つ、銀メダルには2つ、銅メダルには3つ、円形のくぼみが施されています。これは金・銀・銅メダルの違いが触れてわかるようにするためで、このくぼみ加工は大会史上初めてとのこと。
リボンのデザインには、東京2020大会を象徴する「紅」に加えて「桜」を使用。またオリンピックのリボンデザイン(関連記事)と同じく、「組市松紋」を用いることで祝祭感とともに多様性と調和を表現しているとのこと。なお裏側には、メダルと同様に触れてわかる凸加工が施されています。
メダルケースは、オリンピックと同じく、国産のタモ材を使用して職人の手で作られた藍色の木製ケース。個性豊かな杢目(もくめ)は、大会の多様性を象徴しています。ちなみに、磁石により、円形のフタと本体が“繋がった輪”のように開いてそのままディスプレイすることが可能とのこと。
メダルデザインは2017年12月から開始した公募を経て決定。選出されたデザイナーの松本早紀子さんは「デザインは選手を主役にしたいと思い考案しました」と思いを述べ、「このメダルが選手と人々の心を繋ぎ、新たな風を生み出す原動力となれば嬉しいです」とコメントしています。
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