舞台「BIRTHDAY」が11月27日から12月1日にかけて、東京の「こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ」で上演中。同作は、演劇やミュージカルなどで活躍する平野良さんが初演出を手掛けたオリジナル作品です。
こちらの記事では、公開ゲネプロ後に実施したインタビューをお届け。舞台初挑戦となった宮河慶信さんをはじめ、谷佳樹さん、鷲尾修斗さん、平野さんにゲネプロを終えての思いを伺いました。
舞台「BIRTHDAY」ストーリー
「ここは、どこなんだ……てか、僕はなんなのだ?」
何も知らない10人。
お互いの素性も、想いも、何もかも謎のまま。
分かっているのは1つだけ、勝ち続けないと「終わる」。
そう考えているあいだにも、また次の試練がやってくる。
あいつが、僕が、脱落していく。
そんなシニカルな運命を、舞台の外の「黒子」たちが笑っている。
……そして、勝ったのは「君」だ。
―― いまのお気持ちを教えてください。特に、宮河さんにとっては初舞台ですね。
宮河 前説もかなり緊張しちゃいました。周りは稽古中から頼らせてもらっている人ばかりなので、皆さんが入ってきてからは緊張も和らいだんですけど、それでも舞台からはけたときに「やばい、緊張する!」と思っちゃう瞬間があったり。これから公演を重ねるにつれて、舞台に慣れて、緊張せずに演技していけるようになれればと思っています。
谷 まさに激闘というか、音響もほとんど使わず、役者の全エネルギーを使って体で表現している作品です。2.5次元がはやっている中では挑戦に近いものがありますが、2.5次元を好きなお客さんがどういった感想を持ってくださるのか、というのもすごく楽しみ。昨日は興奮して寝られなかったぐらいなんですけど、皆さんに楽しんでもらうために自分も楽しんでいけたらと思っています。
鷲尾 舞台は、初日から千秋楽まで基本的には同じクオリティーのものを提供しなくてはならない、というのがあると思いますが、この舞台は毎日毎日の100点が違う。それがこの作品の良いところでもあると思っています。プロとして、お客さんを楽しませる作品になればと思います。
平野 役者を始めてから20年以上たちますが、いまは役者のときには感じたことがないくらいしんどいです。
宮河&谷&鷲尾 あはは(笑)。
平野 寝られなかったり悪夢で何回も起きたりとか人生で初めてで。お客さんが拍手しているのを見たら、泣いてしまうかもしれない(笑)。
平野 僕よく言うんですけど、うどんってすごくシンプルな料理じゃないですか。だからこそ、おいしい・普通・おいしくない、というのがすごくよく分かれる。それと同じようにシンプルな舞台だと思っています。気候や湿度、気温って毎日変化しますけど、うどんの話で言えば練るときに「今日の湿度これくらいか、じゃあ水の分量これぐらいかな」みたいな職人技が試されるんです。
役者としてはすごくきついと思います。でも、さっき修斗も言ってましたけど、毎日変わるっていうのは、実はお客さんの「おいしい」のためにやっていること。目的は変えてないんです。そういう作品をスペース・ゼロという空間でやるのは、やりたかったことの一つなのでうれしいですね。
―― 終盤にいくにつれて、周りのキャラクターが宮河さんを支えていくという流れになっていて、どこか現実とのリンクを感じましたが、あてがきされた部分もあるのでしょうか。
平野 あてがきとまではいかないです。うちの谷はもっとしっかりしたところがありますし。
谷 え! ありがとうございます!(笑)。
平野 今まで見たことがなかったり、逆に知っていて強みな部分だったりというのは生かさないわけにはいかないと思っていたので、皆に得意なことをリサーチしながら、これ見たいなというのをスパイスとして入れています。
宮河くんに関しては、これから俳優としてめきめき育っていくというのもリンクしていたらなとは思っています。最初の舞台にしてはイレギュラーすぎますけどね(笑)。
谷 今日やってて面白かったのが、良くんの笑い声って僕の脳にインプットされてるんですけど、反橋宗一郎が良くんの笑い声でちょっとテンポ崩されてたのが(笑)。
全員:(爆笑)。
平野 あったね(笑)。今日は本当に笑わないようにしようと思ったんだけど、1回笑っちゃったんだよね。抑えようと思ったんだけど。
―― 最後に意気込みを聞かせてください。
宮河 主演に選んでいただいたからには、持っているものを全て出し切って、お客さまに楽しんでもらえる舞台にしたいし、平野さんが作りたい舞台の一部になれたらと思っています。
谷 よく言われますけど、舞台って生ものなので、劇場で見るからこその臨場感や熱量があります。もし、面白くなかったら全額返金するぐらいの気持ちです。
平野 ぜひ使ってください。
鷲尾 太字でお願いします!
谷 請求書は事務所まで送っていただければ良いので、保証します。以上です。
鷲尾 以上ですって(笑)。えー、どの舞台もいつも100%で臨んでいますけど、10人全員がこの公演で倒れても良いぐらいの熱い気持ちでやれることってなかなかないと思うし、そういうキャストが集まってるというのも、この作品の強みですね。
平野 囲み舞台なので、正面からだと気付かないけど、他の角度から見るとこんなことになっていたんだ、みたいなギミックもあるので、いろんなところから見てほしいですね。この舞台が映像化されるか分からないですが、カメラでは収めきれないものもあるので、劇場で見てもらいたいです。
公開ゲネプロ
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舞台概要
会場
【東京】こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ
2019年11月27日(水)〜12月1日(日)
キャスト&スタッフ(敬称略)
秋沢健太朗、オラキオ、栗原大河、碕理人、反橋宗一郎、谷佳樹、葉山昴、宮河慶信、山脇辰哉、鷲尾修斗
原案・演出:平野良
脚本:西垣匡基
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こんな日が来るなんてな……。