この世の全ての「理不尽」がおそいかかっているかのようなOL・耐え子を描いたギャグ漫画「耐え子の日常」。主人公・耐え子は、友人の前でさえ気を抜くことはできません。なぜなら友人の花田さんは、道端で「歩きたくないよ〜」と駄々をこねる子どもに「わがまま通したきゃ、えらくなれ」と真顔で説くような人なのですから……。
「耐え子の日常」は、Instagram(@taeko_ol)で41万、Twitter(@OLtaeko)で16万以上のフォロワーを持つ漫画シリーズです。10月にアニメ化され、現在放映中。1月には新刊が発売されます。
【追記:発売日が3月2日に決まりました】
この勢いに乗って「耐え子の日常」から、いくつかピックアップして紹介するこのシリーズ。今回は耐え子にとって、もはや「存在そのものが災厄」ともいえる友人・花田さんに注目し、「時に冷徹な花田さん編」としてまとめてみました。
花田さんは耐え子の同僚。見た目からしてごく普通のOLですが、言動がぶっ飛んでおり、いつも耐え子を困惑させる存在なのです。
ある日、外に出た耐え子は予想以上に肌寒かったのか「さむ〜い」とつぶやきます。それを聞いた花田さんは、自分が着ていたカーディガンをさっと脱ぎ、耐え子の肩にかけてあげます。「わたしの濡れ衣着ていいよ」、と。……ん? 濡れ衣? 見ればカーディガンには返り血のようなものが。
あっと思う暇もなく、文字通り濡れ衣を着せられた耐え子はお巡りさんに連行されていくのでした。
別の日には、自宅に花田さんら友人を招いた耐え子さん。「耐えちゃんの家は居心地がいいなぁ」と笑う友人の隣で、チューチュー。見れば、花田さんが勝手に耐え子さんちのマヨネーズをじかに吸っています。チューチュー。面食らう耐え子さんに、花田さんは「あ、そうだ。……ケチャップある?」とダメ押し。せめて食器に出して飲んでほしい。
かと思えば、「駅前の定食屋さん、無料で食べられるよ」と花田さん。耐え子は「えっ! 無料で?」と驚きつつ、ついていってしまい、たらふく食べます。でも、なんで無料になるの? と思っていると、「すみませーん」と店員さんを呼ぶ花田さん。「お金がないので皿洗いさせてください」と、訴えます。最初からそのつもりなら、一人でやってよ! という耐え子の声が聞こえてきそうです。
そんな花田さんにも意外な一面があります。道端で耐え子と話しているとき、たまたま同僚が通りがかります。「なんの話しているの?」と近づく同僚たちを花田さんは、「うるさいなぁ。気安く話しかけないでよ」と冷たく突き放すのです。「どっか行ってよ」とまで言われ、寂しそうに去っていく同僚たち。花田さんは笑って言い放ちます。「友達が多いとお金かかるじゃん?」。
ここまでは花田さんの通常運転なのですが、よく考えたら、それでも耐え子と友達付き合いをしているってことは、花田さんにとって耐え子はかけがえのない存在なのでは……? まあ、それが耐え子にとって、幸せなのかどうかはまた別問題なのですが……。
どんなときだって既成の概念にとらわれない花田さんの言動に目が離せません。
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