「孤独ってこういうことかな」 芳根京子、笑顔の裏に秘めた不安と苦しみ明かす 映画「記憶屋 あなたを忘れない」での葛藤(1/2 ページ)
「真希の愛のカタチは、かっこよくて、強いなと思いました」。
人の記憶を消せる“記憶屋”っていう人がいるらしい――都市伝説として語り継がれるその存在を巡り、さまざまな人の“記憶”にまつわる思いが描かれる映画「記憶屋 あなたを忘れない」が、1月17日から公開されています。
織守きょうやさんの小説を原作に、映画「ツナグ」やドラマ「JIN-仁-」などで知られる平川雄一朗さんが監督を務める同作。大切な人の記憶から自身の存在が消されてしまった主人公・吉森遼一を演じるのはHey! Say! JUMPの山田涼介さんで、過去、記憶の一部を記憶屋に消されてしまった遼一の幼なじみ・河合真希を芳根京子さんが演じます。
過去の出来事を経て、ある苦しみを抱えて生きる真希に寄り添いながら演じたという芳根さん。ねとらぼエンタに、不安な日々が続いたという撮影を振り返りながら、映画「記憶屋 あなたを忘れない」への思いを語ってくれました。
「不安」との戦いだった撮影
―― 主演の山田さんは、脚本を読んだときに内容を一度読んだだけでは理解できず、何度も読み込んで監督と話し合いながら作風を変えていったと話していました。芳根さんは脚本を読んでどのような感想を持ちましたか?
芳根京子(以下、芳根) どうだったかな……。どんな役でも、その役が抱えている思いや感情は、たぶん本人にしか分からないですよね。役へのアプローチが分からないときに、私が信じるべきものは脚本と原作だと思うので、本読み前にたくさん読み込んで向かい合いました。それでも、撮影に入ってからの方がいろいろ悩むことが多かったです。
―― 具体的にどのようなことで悩まれたのですか?
芳根 当初、私の中の“真希”は、もう少しおしとやかな女の子というイメージでした。でも、撮影に入ってから監督が「もっとテンション上げて、明るくていいよ!」と言ってくださったのですが、私は「え? もっと?」というのを毎日探り探りでした。
でも、ある日突然「あ! それ! それいい!」と監督が思う真希に一致した瞬間がありました。何がきっかけだったかは分かりませんが、その日を境に“高さをそろえる作業”から、それを“膨らませていく作業”に変わった気がしています。
―― 真希の天真らんまんな笑顔の裏にそんな苦労が……。
芳根 テンションを上げすぎて、大げさに見えないようにとか、女性にも共感してもらえるようにとか、そういうことばかり考えて守ってしまっていた部分は反省ですが、客観的に、「大丈夫」と言ってもらえているなら絶対大丈夫! ……というのを割り切るのにも時間がかかってしまって。
あとは、幼少期に記憶の一部を失った真希を演じた撮影中は、私も苦しくて、孤独ってこういうことかなと思うような瞬間があったので、皆さんにも真希の抱えていた思いに共感していただけるとうれしいです。
最初のころは不安と戦っていて、試行錯誤の日々でしたが、いろいろなアプローチ方法を挑戦させていただいたので今思い返すと、とても楽しかったですね。
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