東京ディズニーリゾートが好きなライターの水田眞子です。コロナウイルスの影響で、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーが休園になりましたね。(関連記事)
筆者はここ数日、コロナウイルス関連の記事をきつつ「ディズニーは大丈夫……だって換気がいいし……青空を背景にした巨大なステージだし……」と、何度となく心の中で唱えてきました。というのも、私、3月上旬に東京ディズニーリゾートのバケーションパッケージを取っていたんです。
バケーションパッケージとは、ホテルの部屋とパークチケットなどがセットになった宿泊プランで、アトラクションに通常より短い待ち時間ファストパスがたくさんついているものや、キャラクターとのふれあいを楽しめるグリーティングがついているものなど、いつもより“ちょっといい”パーク体験が楽しめるプランです。
このバケーションパッケージ、首都圏在住・年パスホルダーだった私にとっては、宿泊やパークチケットの必要性を感じず、そこそこパークに遊びに行っているわりにいままで購入したことがありませんでした。(4月1日からはパスポートなしのプランも選択できるようになります)
そんな私がなぜこのタイミングでバケーションパッケージをとっていたかというと、それはひとえに現在東京ディズニーランドで開催中のイベント「ベリー・ベリー・ミニー!」のためです。
ベリー・ベリー・ミニー! とは?
ベリー・ベリー・ミニー! は、東京ディズニーリゾートで今までに上演されたショーやパレードなどのエンターテイメントを、ミニーを中心に振り返るというスペシャルイベント。
中でも、ショーベースで開催されるレビューショー「イッツ・ベリー・ミニー!」は、もう生で見られないと思っていた衣装を見られたり、もうパークで聞けないと思っていた音楽が流れたりと、今までにないコンセプトのショーで、開催前からディズニーファンの注目を浴びていました。
ただこのショー、基本的に抽選で当選しないと会場内に入れないという形式をとっているのです。しかも、ベリー・ベリー・ミニー! は、今年度のみの開催が公式にアナウンスされているイベント。このショーをなんとしてもみたい! と思うディズニーファンは少なくなく、当選祈願のために抽選に使用する年間パスポートを塩で清める人たちも現れました。(関連記事)
こうした人気から、イッツ・ベリー・ミニー! は抽選席と共に設けられていた自由席の運用を度々変更することになります。
当初、1日5回公演のうち全ての公演で設けられていた自由席は、イベント開始から7日後の1月17日に席数を増やして1回目のみに設ける形に変更されました。
これにより、実質的に自由席はディズニーホテルに宿泊することで手に入る通常開園より15分早く入園できるチケット・ハッピー15エントリーを持つ人のみ入れるという状態に。
さらにその後、3月1日からは自由席を一切設けず、全公演抽選席のみになるという案内がなされます。ディズニーファンの中には、ハッピー15エントリーのためにホテルを予約していたという人も多く、大きな衝撃が走りました。
そこへ、今回の2月29日から3月15日までの休園発表。Twitterでは「ディズニー」に加え、「ベリミニ」もトレンドに上がりました。
運営再開は3月16日と予定されていますが、ベリー・ベリー・ミニー! のイベント期間は3月19日まで。ですから、イッツ・ベリー・ミニー! を会場内で見るには、残り4日間でチケットを当てなければならない、ということになったわけです。
これは……無理やろがい……少なくとも、きっと当たるから大丈夫! と言えるほど、筆者には心の余裕がありません……。
こうした思いを抱える人が多かったことが、「ベリミニ」がTwitterトレンドに上がった理由だと言えるでしょう。
コロナウイルス、仕方ないけどやるせない
そんな中、抽選なしでイッツ・ベリー・ミニー! を見る方法の1つが先述のバケーションパッケージでショー鑑賞券付きのプランを購入すること。
筆者もこのプランを購入し、少なくともあと2回、イッツ・ベリー・ミニー! を見られる予定でした。休園により、バケーションパッケージの代金は全額返金されるとはいえ、わくわくしていた心にはぽっかりと穴が開き、虚無で満たされています……。
思えば、グッズが発表されればそのかわいさに震え、イベント初日にはパークに馳せ参じ、常に休日のことを考えながら働いて、東京ディズニーリゾートで過ごす2日間を……こんなにも、こんなにも楽しみにしていたのに……。
ここまでこの休園が辛いのは、ベリー・ベリー・ミニー! のようなある意味ファン感謝祭のようなイベントは、今後おそらく行われることはないだろうという気配をディズニーファンとしてなんとなく感じているから。それほど、ディズニーパークは日々新しいショーやパレード、アトラクションなど、新しい取り組みをしているのです。だからこそ、1度1度のイベント、1日1日のショーやパレードを大切にしていきたい……そこで、休園とは……。
しかし、休園を決定してくれたことで東京ディズニーランドがコロナウイルスの発生場所として報道されたり、遊びに行って体調を崩してしまう人が出なくなったことは、とても良かったと思っています。千葉県市川市では全国に先駆けて小中学校が休校になったこともあり、学校が休みになった子供達がもしたくさんディズニーリゾートに遊びに行ったら全く意味がないのでは? とも思っていました。と言いつつ、自分はしっかり遊びに行くはずだったわけで、オタクっていうのは勝手で厄介な生き物だな、本当に……。
今となっては後出しですが、「パークは換気がいい」などという謎理論を唱えていたのは、正直、数日前からディズニーリゾートも休園するだろうな、と思っていたからです。それは、2019年10月に台風19号の影響での休園があったから。
東京ディズニーリゾートが初めて大規模な休園をしたのは2011年の東日本大震災の時。それまでは大雨でも、雪でも開園し、「ずっとそこにある場所」として存在していたパークが、大きな何かによって休園すること自体に、当たり前ながらも強い衝撃を受けました。
その後に休園したのは、先述の台風19号の影響の時。私は、この休園は震災時の休園とは意味が大きく異なるものだったと考えています。今まで「夢」「魔法」をキーワードに、止まらずに動き続けていたパークが、震災を乗り越えて「人」を守るために止まった。時代の流れもあるでしょうが、この休園は東京ディズニーリゾートにとって大きな転換点になったのではないでしょうか。
今回の休園も、政府の要請ももちろん大きな関係がありますが、ここ10年ほどで変化した「止まることができる」パークの姿を見せてくれたのだな、と思っています。まぁ、これもオタクの妄想なのですが……。
とりあえず、ゆっくり休もう
東京ディズニーリゾート以外でもさまざまなイベントやライブが中止になる中で、日々の元気を「好きなもの」からもらっている人は、特に辛い思いをしていることだと思います。私も、これを書いている今もなかなか割り切れない気持ちがあるのは事実です。
この状況に置かれた私が思ったのは、「好きなもの」の置かれた状況を考えるよりも、まず自分のことを大切にしたほうが良さそうだ、ということ。
オタク、美しくいうと「好き」に人生を突き動かされている人たちは、イベントなどが中止になると、好きなものや人、そしてその運営の財政状況が普段以上に気になったり、そのためになんとかしなくちゃ! という思いが強くなることと思います。いつもより、より一層応援しなきゃ! と行動に移したくなる人も少なくないでしょう。
しかし、それはいわゆる「空元気」かもしれません。何かがなくなった反動で空元気を続けていると、知らない間に自分の元気も消耗してしまいがちです。このコラムもある意味空元気なので、気持ちはめちゃくちゃ分かるのですが……。
まずは、「悲しい」や「辛い」といった素直な自分の気持ちを受け止め、心がべっこり凹んだ自分のためになにができるのかをゆっくり考えることが、周りまわって「好きなもの」が復活した時の自分の糧に繋がる気がします。
というわけで、今日は一緒にパークに行くはずだった友人と夜ごはんを共にする予定だったのですが、それをキャンセルし、各々で暖かいお風呂にはいり、早めに寝ることにしました。私はもう休む……全てコロナが悪い……。とはいえ、今日だけは思いっきり凹ませてください。
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