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SOD初の配信先行単体レーベル「エモい女の子。」はファストAVのカウンターカルチャー? 狙いを聞いた

同レーベルのプロデューサー、アンチェイン雄一さんに狙いを聞きました。

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 ソフト・オン・デマンド(SOD)が、同社初となる配信先行の単体レーベル「エモい女の子。」を立ち上げました。

ソフト・オン・デマンド SOD エモい女の子。アンチェイン雄一 梁井一 レトロ
エモいな

 素朴であか抜けない感じの女優を起用したり、この業界では珍しいヴィンテージ感あふれる古着コーデを本格的に取り入れたりと、サムネイルからすでにレトロなテイストが前面に出ている同レーベルは、DVDなどのパッケージ販売に先行して配信で提供するスタイルを導入。同レーベルのプロデューサー、アンチェイン雄一さんに狙いを聞きました。

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アンチェイン雄一さん

 同社では、2019年ごろから配信の売上がDVDなどのパッケージに拮抗(きっこう)してきているとのこと。ただし、正確には、「パッケージが売れていないわけではなく、下がっている中で売っていくのが大変ということ」(アンチェイン雄一さん)で、売上比率でみると、配信よりもVRの方が高いそう。つまり、配信は“てこ入れ”が必要なフェーズで、今後有望な選択肢の1つにすべく、さまざまなチャレンジをする時期と考えているようです。

 「エモい女の子。」も当初から配信先行レーベルを想定していたわけではなく、DVDのいわゆる新人単体レーベルとして企画されていたとアンチェイン雄一さん。配信の世界では、“ノットリ(男女入れ替わり)”やマインドコントロール社が得意とする催眠系のように、企画畑のレーベルが芽吹いてきているものの、単体レーベルで存在感のあるものがなかったことから、企画を練り上げていく中で、配信先行でいくことにしたといいます。

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 エモい、という方向性は、アンチェイン雄一さんが以前、当時KMHR(キミホレ)専属女優だった@yano_purple(あやのあんだーばーぱーぷる)さんの作品を手掛けた際、いわゆるエモい写真を撮ったことがあり、そのときのチームでやってみようと考えていたとのこと。

 SOD作品でも、SODstar小倉由菜さんの「小倉由菜 AV Debut」や、2019年12月にSODstarを卒業した小泉ひなたさんのキミホレデビュー作のように、意図的に4:3の画角にしたり、VHS的な走査線を加工したりとエモい感じに仕上げた作品もあり、イメージは固まっていたようです。ガス・ヴァン・サントの「マイ・プライベート・アイダホ」のような雰囲気がある古い映画が好きだというアンチェイン雄一さんの嗜好(しこう)が「エモい女の子。」にも反映されています。

 「女の子がはかなく見えるというか、美しく見えるというか。そういうよさがあって、単体デビュー作品にしっくりくるなと感じた」(アンチェイン雄一さん)

 現在、アダルトのユーザーを取り込む上で効果的なのは、FANZAのトップページに掲載されるバナー枠やランキングへの露出だと話すアンチェイン雄一さん。

 「無数の作品がラインアップされるFANZAですが、それ故に、作品にたどり着くまでに時間が掛かる。ランキング上位の作品がさらに売り上げていくような世界で、人目につかないと勝負にならない。だから認知はとても重要」

 売上だけで見れば、FANZAより大きいというFC2などもあるものの、メーカーも女優もFANZAのランキングに一喜一憂するなど、FANZAがAV業界のプラットフォーマーのような位置付けになっている中で、苦労する部分もあるようです。

 また、「配信とパッケージで同じ1本売れるならパッケージの方が粗利は高い」(アンチェイン雄一さん)という説明からも、配信はプラットフォーマーが徴収する販売手数料や、特設枠を含む広告枠などプロモーションコストの高さが利益を下げる一面もある様子。しかし、そこから目を背けるのではなく、その中でうまくやる道を模索しているようです。

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4月16日には日向理名さんも配信デビュー
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 AV監督・カンパニー松尾さんの弟子に当たり、同レーベルの撮影を担当する梁井一監督は、FANZAで2019年に異例の売上をたたき出し業界で大きな話題となったブロッコリーの作品「ボーイッシュで男友達みたいな彼女は隠れ巨乳でした!」に言及。キャップをかぶってだぼっとしたパーカーを着たあか抜けない普通の女の子のジャケット写真が印象的な同作は、北欧美女「メロディー・雛・マークス」を擁した桃太郎映像出版の作品と並び、2019年特別跳ねた作品となりました。この作品もFANZAランキングでずっと1位だったことが格好のプロモーションになっていたと分析しています。

 「何が要因だったのかは分かりませんが、あれが何かしらAV業界全体に対するカウンターとなっていた」と梁井監督。ブロッコリーが特殊なのは、監督や編集、ジャケットデザインなど、一般的には分業しそうなものを全て1人で作っていること。職人が素材を丁寧に磨き上げ、コスパ悪く仕上げた一品が売れたことがある種の気付きにつながったようです。

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 世の中に無数に存在するAV作品を、ファストファッションになぞらえて、ファストAVだと話すアンチェイン雄一さん。SODもファストAVの隆盛に加担しているメーカーの1つであるのは紛れもない事実ですが、「エモい女の子。」はアナログ感を前面に押し出した職人気質の“ドキュメントAV”で勝負していこうと考えているようです。

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