【令和】現役ドリームキャストユーザーに聞く「最新ハードがドリキャスの代わりにならない理由」:【令和】ドリキャスを遊んでいる人インタビュー
発売直後から遊んでいる長年のプレイヤーにお話を伺いました。
2001年、ゲーム機戦争(各社の販売競争)に破れたセガはドリームキャストの製造を中止。約20年にわたるセガハードの歴史は幕を閉じた―― 長年のゲームファンの方ならば、こんな文章を目にしたことがあるのでは? 確かに今、ゲーム“会社の歴史”を書こうとするとこうなってしまうのかもしれませんが、ゲーム“ファンの歴史”はどうやら違うようです。
本記事は“ドリームキャストを現在でも遊んでいる人”にお話を伺うインタビュー企画。今回は、長年のプレイヤーに「ドリームキャストの魅力」「遊び続ける理由」などを伺ってみました。
連載企画:【令和】ドリキャスを遊んでいる人インタビュー
「10年早いんだよ!」は“時代を先取りし過ぎるゲームメーカー”こと、セガの代名詞。その象徴ともいえるのが、ネットワーク接続機能などを1990年代末に導入したドリームキャスト。「時代が変わり、その先進性がむしろ当たり前のものになった今、同ハードの魅力は?」と、Twitterで「今でも遊んでる人」の募集をかけてみたところ、集まり過ぎちゃったので全5本の連載企画になりました。
コア過ぎるタイトルが魅力的 3Ka-LLさん(@d_lagoon)
―― ドリームキャストはいつからプレイしていますか?
発売直後から。元からセガハード派だったのですが、DC(ドリームキャスト)はNAOMIシステム(※)と互換があり、「斑鳩」(開発:トレジャー/シューティングゲーム)が移植されたこともあって、早めに購入しました。
それともう1つ、フロムソフトウェアさんの「FRAME GRIDE」ですか(笑)。分かる方の「えー?」の声が聞こえそうです(笑)。
※NAOMI:ドリームキャストのハードウェアをベースにした、アーケード向けシステム基板。この登場により、「アーケードと家庭用ゲーム機のスペックがほぼ並んだ」形になり、「業務用とそん色のない内容、かつ家庭用向けにゲームモードなど追加要素が加えられる『パワーアップ移植』が実現するという時代が到来」(セガハード大百科より)
DCは、そういったコア過ぎるタイトルが魅力的でしたね。他にもSEGAさんらしいところを押さえながら「チューチューロケット」「スペースチャンネル5」などのカラフルでぶっ飛んだ(笑)ゲームが出たり、他社メーカーさんもさまざまなタイトルを出してくださったりして、いろいろ楽しめました。
―― ドリームキャストの発売から20年以上たった今、オススメのタイトルは?
「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム」(以下オラタン)ですね。
1995年にアーケードゲームとして登場した初代「バーチャロン」を見たとき、当時の私はツインスティックを採用した操作周りのシンプルさに非常に感動しました。
シリーズ作の「オラタン」ではより多彩な操作が可能になり、「2本のレバーのちょっとした入力の変化でさまざまな操作ができる。まずは難しいことを考えず、気軽に二足歩行のカッコイイバーチャロイドが動かせる」ということに完全に夢中に。それにつきますね(笑)。
全てプレイしている「バーチャロン」、ドリキャスでしか遊べないバージョンが セージさん(@sageichi)
―― ドリームキャストはいつからプレイしていますか?
遊んでいなかった時期もあるので、プレイ歴は13年くらい。
発売日に買った本体が今で現役です。コントローラー接続口も差し方によっては認識が怪しかったりしますが、光学ドライブは好調。本体は予備でもう1台持っています。
―― ドリ―ムキャストの魅力は?
セガのアケゲー(アーケードゲーム)がほぼ完全移植。セガサターンと違って3D機能が大幅に強化されていて、アーケード版とほぼ遜色なしで遊べます。
発売当時はグラフィックの良さに「これでセガはPSに勝てるかも!?」と思いました。
―― 今でもドリ―ムキャストで遊び続けている理由は?
「バーチャロン」シリーズを全て遊んでいるのですが、ドリキャスには他ハードには移植されていないバージョンがあるので。さすがにオンライン対戦はできなくなってしまいましたが、今でもプレイし続けています。同意見が多いと思いたいです。
10年超越しの“聖地巡礼”、20年越しのファンサイト 北へ。あきさん(@tothenorth_aki)
―― ドリームキャストはいつからプレイしていますか?
ドリキャスというか、1999年に登場した恋愛アドベンチャーゲームシリーズ「北へ。」を現在まで約20年間遊び続けています。このハードには他機種に移植されていない作品がそこそこあるような気がするので、私含め“今でも遊んでいる人”は意外と多いかもしれません。
―― 実際、そういう方、他にもいらっしゃいましたね
過去にはドリキャスで「サクラ大戦」「ファンタシースターオンライン」「ギガウィング2」……なども遊んでいましたが、今は「北へ。」専用機になっていて、第1作目「White Illumination」、ファンディスク「Photo Memories」の2本を繰り返しプレイしています。
またPS2向けに発売されたシリーズ作も現役でやっていて。ここ数年で考えても、最新のPS4よりPS2、ドリキャスの稼働時間の方が長いです。
―― 「北へ。」シリーズの魅力は?
この作品の大きな特徴の1つは、北海道の景色が実写背景として使われていること。有名な観光地だけではなく、地元スーパーやただの交差点なども登場します。北海道の日常が徹底的に描写されていて、遊んでいると本当に北海道を旅しているような気分になれます。
2012年、職場の同僚に誘われて北海道旅行に行ったのですが、たまたま「小樽運河工藝館」に寄った際、ゲーム画面と自分が見ている景色が頭の中でパチリとハマッて、すごく感動、興奮しました。
それから「『北へ。』の舞台をもっと回ってみたい」と思うようになりまして、年2〜3回、1人で北海道の各地を旅行するようになりました。
―― シリーズ登場から10年以上たっての“聖地巡礼”ですか
閉店、解体されてしまった場所もありますが、それだけ時間がたってもゲーム内の景色が数多く残っていたのはうれしかったですね。
撮影した“聖地写真”は、第1作の発売20周年(2019年3月18日)に合わせて公開したWebサイト上で公開しています。
おまけ:ドリキャスあるある
- 「ビジュアルメモリのふたが、どこかに行ってしまうこと!!!! しかも、アーケード版『オラタン』はビジュアルメモリを使うバージョンもあって、もう大変でした!!!!!」
- 「電池の切れたビジュアルメモリをコントローラーに挿入して電源をつけると「ピー!」という電子音が鳴ること! ドリキャスユーザーであれば、まず間違いなく一度は耳にしたことがある音だと思います」
- 「電源オンで『ピー』。それから、座椅子で足を組んで前に出して状態で『PSO』プレイ中、滑ってかかとドン、ふたパカーからのアイテムロスト」
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いくら覇権をとれずとも、セガファンには1つの希望が。