小栗旬さん主演、三谷幸喜さん脚本による2022年放送の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第1次キャスト発表が行われました。鎌倉幕府設立に関わった将軍や御家人(家来衆)たちの活躍を描く群像劇となる同作。発表されたキャストだけでなくこれからの予想などをめぐり、大河ドラマファンから早くもディープな声が上がっています。
NHKが公開した、三谷さん自らによるまるで組閣のようなキャスト発表動画によると、最初に紹介されたのが小栗さん演じる主人公・北条義時の姉である北条政子役の小池栄子さん。鎌倉幕府を開いた征夷大将軍・源頼朝の妻であり、夫の死後は“尼将軍”の異名を取り幕府と北条家を支えたいわば“女傑”。
小池さんは「女として、母として、強く、愛に生きた政子は、『一途』という言葉がぴったりな最高にカッコイイ女性だと思います。1年半、政子を誰よりも愛し、政子と心中する気持ちで演じさせていただきたいと思います。『猛女』とよく例えられますが、そうではない、それだけではない魅力的な政子として視聴者の皆様の記憶に残れるよう気合を入れて頑張りたいですね!」と、その人物像と演じる上での思いを語っています。小池さんといえば、2005年の大河ドラマ「義経」で巴御前を名演。ほぼ同じ時代を生きた並び称される強い女性をどう演じ分けるのかも見どころと言えそうです。
続いて、義時の兄・北条宗時役は片岡愛之助さん。2016年の大河ドラマ「真田丸」を始め、三谷作品ではおなじみの片岡さんは「北条宗時は私とは真逆の人間。夢に生き、夢に散った男だったと知りました。打倒平家に燃えたその夢想家の熱意は相当なものだったと想像がつきますし、今回はその熱量をいかに表現できるかに懸かっていると感じています。自分とは正反対の生き方をした武将を演じられることに今からワクワクが止まりません! とはいえ、宗時は歴史文献にもあまり記録が残っていない人物。その宗時が三谷さんの脚本でどう描かれるのか、非常に楽しみです!」とコメントしています。
また、ドラマ序盤の登場となると思われる平清盛を演じるのは松平健さん。源氏の宿敵であり、平家の総帥を松平さんが演じるのは、1992年のTBSドラマ「平清盛」以来2度目。松平さんは「源氏の遺児たちの命を奪わなかった情が、自らを窮地へ導く──<清盛>の激しい生きざま、抑揚をつけてしっかりと演じたいですね。諸行無常、盛者必衰じょうしゃひっすいをもって、時代のバトンを鎌倉へと渡したいと思います」と語っています。
なお、同作とほぼ同じ時代を描いた1978年の大河ドラマ「草燃える」で北条義時を演じたのは松平さんです。小栗さん演じる義時との絡みがあるのか(史実的にはかなり難しい?)、気になるところです。大河ドラマファンからは「(2012年大河「平清盛」の)松ケンからマツケンか!」との声も上がっています。
そして、今回最後に紹介されたのは、鎌倉幕府の御家人・比企能員役の佐藤二朗さん。義時ら北条家とはライバル関係にある人物を演じることになった佐藤さんは「一歩間違っていたら、執権は北条でなく比企だったかもしれません。歴史の裏には必ず、涙を飲んだ悲運の敗北者がいます。そうした歴史の表舞台に立てなかった人物を演じるのは、ある意味役者冥利みょうりに尽きます。精いっぱい、歴史の裏側、影を輝かせたいと思います」とコメント。一般的に知名度はそれほど高くない人物ですが、史実的にもドラマ的にもキーマンになるであろうことは、佐藤さんの言葉からも伝わってきます。
なお、キャスト発表は明日以降連日行われるとのこと。次はどの役を誰が演じることになるのか、楽しみが続きます。
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