スウェーデンに拠点を置く自動車メーカー「ボルボ・カーズ」が、ちょっと変わった「衝突テスト」を行い、注目を集めています。なんとピカピカの新車を30メートルの高さから落としまくったのです。
一般的な衝突テストといえば、特殊な装置を備え付けた専門施設で行われます。自動車メーカーのテレビCMなどで、ダミー人形を載せたクルマを硬い構造物にぶつけて安全性を確かめるという映像がたびたび使われていますが、それがまさに衝突テストと言われるものです。
そんな衝突テストを奇抜な方法で行ったのがボルボ・カーズ。なんとクルマをクレーンで吊り上げて、高さ30メートルから落下させるという方法を採用しました。
テストのために用意されたクルマは全10台。どれも最新モデルでピカピカの新車……総額いくらになるのか、想像するのも怖いですね。
地面へ落下したクルマは大きく損傷。そりゃそうなるわなという感じですが、この衝突テストにはもう1つの大きな目的がありました。
というのも、今回の衝突テストは安全性を確かめるだけが目的ではなく、スウェーデン国内で活動しているレスキューチームの救助訓練も同時に行われました。通常、訓練はスクラップになったクルマが使われるそうですが、20年以上前の使い古されたクルマが多く、現代のクルマと比べて強度や構造などが大きく違い、訓練をしても得られる成果に限りがありました。
そこで、レスキューチームの要請を受けたボルボは、よりステップアップした訓練が行えるように、今回の衝突テストと平行して救助訓練を行う案を提案したそうです。
テストで高さ30メートルから落とされたクルマは、「超高速での単独事故、高速でのトラックへの追突事故や側面からの激しい衝突事故など、非常に過酷な衝突事故を想定した場合の車体の損傷」を十分に再現できたそうで、レスキューチームも専門機材を大いに活用して、これまでの訓練とは比べ物にならない大きな経験値を得ることができたようです。
ボルボ・カーズによると、今回の訓練で得られたすべての知見は調査報告書にまとめられ、全レスキュー隊員が無料で入手できるそうです。
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