鎮西寿々歌インタビュー 子役イメージを脱却して挑んだ初写真集「22歳になった私を見てほしい」
小学生のころのイメージを崩したくない、という思いにとらわれていたといいます。
――明るく、前向き、いつも元気。てれび戦士として、さまざまなことにチャレンジしてきた鎮西寿々歌さんを表現するには、ポジティブな言葉がよく似合います。
NHK「天才てれびくんMAX」で芸能界デビューし、続く「大!天才てれびくん」にも出演。2020年には舞台「天才てれびくん the STAGE〜てれび戦士REBORN〜」に前田公輝さん、長江崚行さん、ド・ランクザン望さんらとともに出演して、当時子どもだった視聴者たちを中心に話題となりました(出演時のインタビュー)。2018年からはNHK「ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!」の12代目おねえさんを務めています。
現在22歳となり、舞台にラジオにと活動の幅を広げている鎮西さんですが、このたび初のデジタル写真集『resonance 鎮西寿々歌』の発売が決定。家族でも読めるという写真集はどのようにして撮られたのか、撮影の思い出から鎮西さんの内面に迫る質問まで、インタビュー動画とともにお届けします。
―― 写真集の発売決定おめでとうございます。初の写真集ということで、撮影は緊張しましたか?
前日まではすごく緊張していたんですけど、始まってからはのびのびとリラックスできました。
私の中で写真集は、いつか出したいと思っていたんですけど、自分の中で自信がなかったというか、撮られることも表現することもすごく好きなんですけど、確固たる「こういうものを表現したいんだ」っていう思いがあるようでない状態で。
誰かの期待に応えるとか、誰かが用意したものを120%やるっていうのが全てだったんですけど、今年に入ってから私の中で「これからはこういう表現がしたいんだ」というのが明確になったんです。
ちょうどこのタイミング、発売するときには22歳になっているこのタイミングで私の今を見ていただけたらと思っています。
―― 心境に変化があったと。
「私はこういう人間なんだ」って明かすことに恐れみたいなものがあったんです。小学校のころからテレビに出させていただいていたので、そのときのイメージみたいなものを崩したくないなと。でもそういうのはいらないんだって気付いて。その瞬間に殻が破けたような感じですね。
―― タイトルに付けられた「resonannce」に込められた意味は?
写真集は今後シリーズ化されていくんですけど、Resonannceっていうのが共振とか、外部からの影響によって大きくなったり変異したりみたいな化学反応的な意味があるんです。自分はこういう人間に見られたいという型を自分の中で狭めていたところがあったんですけど、その日にお会いしたカメラマンと「何か化学変化を起こせないか」という意味も込めて、撮影に臨みました。
―― 今回の撮影はどこで?
館山のリゾートホテルなんですけど、めちゃめちゃいいところでした。撮影自体は半日で終わったんですけど、館山には初めて来たということもあって、帰るのはもったいないなーと思って。海が見えるカフェに寄ってから車でゆっくり帰りました。
―― 撮影を通して得られたことはありましたか?
確信したことというか、やっぱり撮られるのはすごく楽しいなと。撮られている間も、カメラマンさんとうまくコミュニケーションがとれていると感じました。
あと、撮ることは趣味でやっていて好きだったんですけど、撮られることも「この瞬間を撮ってほしいな」と思ったときにシャッターを押してくださるとか、初対面なのに、だんだんちゃんとコミュニケーションできてくるっていうのが面白いなと思いました。
―― 鎮西さんの発言からも写真集の手応えを感じますね。特にここを見てほしいっていうところはありますか?
写真集の中に、流れみたいなものがあるんです。最初は無邪気に笑っているような、感情をストレートに出したような表現が多いんですけど、だんだん楽しんできているところで海に行って、そこから疲れて1回寝ちゃうんです。
寝ちゃったところは撮られていないんですけど、起きてからだんだん覚醒していって、この先どうなるの? みたいな、そういう展開。
その流れももちろん見てほしいですし、皆さんが抱いていた今までの私のイメージだと思うんですけど、1回寝て起きてからは「この一面知らないな」とか「新しいかも、つかめないかも」っていう新境地みたいなところをお見せできると思います。
―― 撮られている間はどういうことを考えていましたか?
今回の写真集では「記憶」をテーマにしていて、館山には行ったことがないですけど、でも「この風景見たことある」みたいなことって誰しも経験あるじゃないですか。その感覚でやっていました。
―― 一押しの一枚
それこそ、さっき話した寝起きっぽい写真なんですけど、光が後ろからいい感じに差し込んでいて、それが中性的というか、何を考えているか分からないんだけど、でもどこか意思がある、みたいな写真で。顔の半分ずつでちょっと表情が違って見えて、二面性じゃないけど、どっちなんだろう? みたいな。2つの意味がある写真です。
―― ここからは最近の活動や鎮西さんの内面にも迫りたいと思います。11月24日にはYouTubeでの活動もスタートさせましたね。
前からYouTubeをやりたいって思っていて、「これだ!」っていうやりたいものを見つけたのでスタートさせました。そうしたら、たまたま誕生日のタイミングで。
チャンネル名が「おすずのあいまいにぃ〜」っていうんですけど、曖昧っていうのをテーマにいろいろと配信していけたらと思っています。ファンの方と交流できる場になったらいいな。
―― ファンとの思い出で特に記憶に残っているエピソードはありますか?
「天才てれびくん」に出ていたときからお便りをいただいていたんですけど、家庭環境や個人の抱えている悩みとかを、会ったこともない私に告白してくれて。「テレビに出ている姿を見て勇気をもらいました」っていうお手紙を読んだときに、私はただ楽しくやらせていただいているだけなのに、前に進もうと思えるきっかけになれているんだって知って、見てくれている方がいるからこそお仕事を続けられているんだなっていうのをすごく感じたんです。
スタッフさんとかいろいろな方に支えられていますけど、やっぱり1番は待ってくれている人たちがいるから私がいるんだなって、常にそう思っていますね。
―― 鎮西さんといえば、それこそ天てれ時代からポジティブな印象が強いのですが、何か秘訣はありますか?
寝たら忘れる性格なんですけど、それはある意味才能だなって思っています。偉人の言葉に「問題が起きた次元で考えても解決策は浮かばないんだ」「次元を上げて考えなければいけない」みたいな言葉があって、次元っていうと難しく聞こえちゃうけど、悩みとかマイナスなことにフォーカスしていても何も生まれないってことなんだろうなって思って。
だったら1度離れてみて、楽しいことをやっていたらきっと楽しい姿を見てもっと幸せな人たちが集まってくるし、自分でもハッピーなものを作りたいなと思っています。そう思っている方が心地がいいからなのかな。
―― 趣味の瞑想もポジティブの秘訣?
元からすごくクヨクヨする方ではないですけど、何かを言われて深く傷つくことはありました。瞑想ってなんか大げさなものというか、厳しい、修行みたいなイメージがあってなかなかできなかったんですけど、ただぼーっとするだけでも瞑想になるし、例えばお手玉をしているだけでも瞑想になる。
思った以上に人っていろいろなことを考えているじゃないですか。考えることもすごく好きなんですけど、考えない時間を設けるっていうこともすごく大事なんだなーって。
余白にいろいろと楽しいことが降りてくるんだなっていうのに気付いてからは楽になりました。
―― 余白といえば、普段忙しく仕事されている中で、空いた時間ができたら何をしていますか?
友達や家族など、好きな人たちに会う! 瞑想は毎日しているんですけど、掃除もすごく好きで、心がすっきりするんです。あとは神社に行ったりかな。
―― 食べることも好き?
Twitterは、マネジャーさんがあげてくださる写真が99%ぐらいご飯の写真なので、ずっと食べてるんじゃないかと思われてるかもしれません(笑)。でも食べるのは大好きですね、すごく好きです。
―― Instagramではよくオーガニックやグルテンフリー食品の写真をあげていますね。
すごく好きですね。
人によっては「我慢してるのつらそう」とか思う方もいると思うんですけど、私は結構好きでむしろ体に優しいものを選ぶようになってから素材がいい物ってそれだけですごくおいしいし、本当に体が軽くなったりとかするので。
調べたら、結構グルテンフリーにこだわったお店ってあって、ボリュームも結構あるんですよ。大豆ミートの唐揚げとか。お勧めしますのでぜひ行ってみてください。
―― 最近ハマっていることはありますか?
ハマってるというか、「食べ物の引き寄せ」を最近すごくやっていて。
―― 食べ物の引き寄せ?
韓国のりを無性に食べたいって思った日があったんですね。でもうちの家は韓国のりが絶対にある家ではないし、なんならこの1年くらい韓国のりを誰も食べていなかったんですよ。それなのに、そう思った日に父が買ってきたんですよ! 韓国のりを! 父に「なんで買ってきたの?」って聞いたら「なんとなく」っていう話だったんですけど、そういうことがいっぱいあるんですよね。
それこそ昨日ロケがあったんですけど、ずっと行きたかったチーズのお店があって、「ここどうしても行きたい」と思っていたら「ここ入る?」って聞かれるみたいなことがありました。
―― もう年末が目の前ですが、2020年を振り返ってみて鎮西さんにとってはどんな1年でしたか?
まだ公になっていないものも含めて、いろいろな表現をやらせていただきました。ずっとやってみたかったことをチャレンジできた年でしたね。1回ゼロになって、本当に好きなものは何なのかっていうのを自分に聞いてみて、「こういうことなんじゃないの?」っていうのを手探りの中やっていった1年だったのかなって思います。
―― 2021年はどんな年にしたい?
この間ちょうどラジオの生放送のお仕事をしたんです。ラジオは初めてで、声だけっていうのも初めてだったのでものすごく緊張して。私は正直、自分のハスキーな声がコンプレックスだったんですけど、ラジオに出たことで「良かったよ」っていう声をたくさんいただいて。
この声を好きになるきっかけになるのかなっていうのをすごく感じたので、ラジオの番組を持ちたいなって思っています。
―― また写真集を撮りたいと……?
思います!
神社を巡りたいなっていうのと、今はコロナのことがあるので難しいかもしれないけど、海外でも撮ってみたいです。
私って朝や昼のイメージが強いと思うんですけど、夜の撮影にも挑戦してみたり、食べることが好きなので、食べている姿も写真でおさめられたりしたらうれしいです。食べてるときって、その人の素みたいなのがすごく出ると思うんです。
―― 2021年も新たな「鎮西寿々歌」が見られる1年になりそうですね。それでは最後に、読者や動画を見てくれている人たちへ向けてメッセージをお願いします。
なかなかないと思うんですけど、家族で読めるような写真集になっているので、「ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!」を見てくださっているお子さんだったり、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、たくさんの世代の方に見ていただけたらなと思います。
他にもオーガニックのこととか、私が興味・関心のあることでいろいろと動いていることがたくさんあるので、引き続き私の活動をチェックしていただけたらうれしいです。
これからも、ハッピーに生きてください! ありがとうございました!
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