ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
ニュース

「19XX」はなぜ今回収録できたのか? 「カプコンアーケードスタジアム」開発者インタビュー今日書きたいことはこれくらい(3/3 ページ)

出発点はシンプルに「全部やる」だった。

advertisement
前のページへ |       

「これは遊んでほしい」というタイトル

しんざき:個人的に思い入れがあるタイトルとか、特にこれは遊んでほしい、みたいなタイトルってありますか?

松田D:開発側からの視点でいうと「フォゴットンワールド」ですね。ローリングスイッチ(※つまんで回すタイプのボタン)をどう再現するのか気にされている声もありましたが、基本的にはスティックをぐるぐる回す設定になっています。ただ、サテライトが回転するスピードなんかも細かく設定できるようになっていたり。

しんざき:すごいこだわりですね………!

松田D:当時の人からしたら「ああ、俺のフォゴットンワールドはこうでなきゃ……!」みたいな感覚ってあると思うんですよね。なるべくいろんな人の思いに答えたいと思って作っているので、そういうところもキチっとしているんだというのを感じていただけたらと思います。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー 松田Dおすすめの「フォゴットンワールド」。ローリングスイッチでサテライトの攻撃方向を変えられるのが特徴

野添P:僕は今回初めてプレイするタイトルが結構多くて、本当に全く知らないタイトルもあったりしました。はじめは有名な「魔界村」からプレイして、最終的には32本全部遊んだんですが、特によく遊んだのは「ひげ丸」ですね。設定がシンプルで、しかも巻き戻し機能があるので全然面倒くさくなくて、なぜか箸休め的に遊びたくなるんですよ。個人的にずっと遊んでいられるゲームでした。

しんざき:すごい遊びやすいですよね、「ひげ丸」。

野添P:「箸休めで『ひげ丸』」を僕は推していきます。デザインもすごくかわいくて好きです。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー 野添Pおすすめの「ひげ丸」。ファミコン用ゲーム「魔界島」の元になった作品

岡部P:私はもうど真ん中世代なんですけど、特に思い入れがあるタイトルが2つあって。「戦場の狼」「ファイナルファイト」。自分が若いころに遊んだゲームですが、久しぶりに遊ぶと新たな発見がある。こんなに難しかったのか、エンディングはこんなだったのかとか。あと「戦場の狼」は早送りを使うと倍楽しくなる。

しんざき:え!? すごい難しくなりません?


カプコンアーケードスタジアム インタビュー 岡部Pのおすすめ「戦場の狼」

岡部P:いや、逆にすごくやりやすくなったんですよ。通常のスピードで遊ぶと横からバイクとか来ますよね。

しんざき:来ますね。

岡部P:あれ、通常スピードだと逃げにくいんですけど、倍速でやるとなぜかうまくすり抜けられるんですよ。

しんざき:えーーーそうなんだ。

岡部P:速かったら難しくなるとも限らないのが面白いなーと。まあちょっと人と感覚違うのかもしれないですけど(笑)。

しんざき:いや、すっごい興味深いです。速かったらもっと面白くなるタイトル、他にもあるかもしれないですね。

岡部P:攻略の仕方でいうと、「ストII」なんかはスピードゆっくりにして、コマンド入力受付を長くして昇龍拳の練習する、なんてこともできますね。


まずは無料分だけでもぜひダウンロードを!

しんざき:ところでキービジュアルですが、カプコンのゲームキャラがみんなが集まってごちゃごちゃ遊んでいる感じですごいキャッチーですよね。


カプコンアーケードスタジアム インタビュー 見ているだけでも楽しいキービジュアル

松田D:イラストについては、アーケード世代に刺さるようなグラフィックにするか、若い世代に刺さるようなグラフィックにするか両面から検討していました。実はゲームのキャラクターを一切出さずに、オリジナルキャラで行こうという案もあったのですが、最終的にはゲーム内のキャラを出しつつ、ゲーム内のデザインには頼りすぎず、“今”のデザインに落としこもうという方向になりました。

岡部P:プロデューサーとしては、タイトルを見れば昔からのファンは手に取ってくれるだろうという自信はあったので、あとはもっとたくさんの方に楽しんでいただけるか考えました。幅広くいろんな方々に、パッケージを最初に見たとき少しでも興味を持ってもらえるようなかわいらしいものにしました。で、なおかつ、ファンの人が見ても「いいよね」って思ってもらえるようなものが一番いいのではと。

しんざき:めちゃくちゃ楽しそうですよね! しかも小ネタがいろんなところに。ちっちゃいスーパー8(サイバーボッツ)がいたりとか、レッドアリーマー(魔界村)がピザ持っていたりとか。ちなみにイラストを描いているのは社内の方ですか?

松田D:社内の人間です。あまり分かりやすくクレジットとかで名前が出ている方ではないですが、すごく有能な人ですね。

しんざき:時間も残り少なくなってきましたので、最後に、みなさんから一言ずつお願いします!

松田D:今回、一応「アーケードゲーム」という形にはなっていますが、当時遊んだ人だけでなく、一切アーケードに触ってこなかった人たちでも楽しく遊べるようなゲームデザインになっていますので、まずはぜひ無料版をダウンロードして遊んでみてほしいと思います。

野添P:僕からも同じです。当時遊んでいなかった人にも届けたいということで、手に取りやすい無料版として「1943」を入れています。「1943」にしても、例えば画面を横にして横スクロールで遊んでみるとか、いろいろこねくり回して好きな遊び方を見つけていただけたらと思います。

岡部P:これまでのアーケードのコンピレーションタイトルにはないいろいろなオプションで、画面設定、操作、難易度設定など新たな楽しみ方と再発見のあるタイトルに仕上がっていると思いますので、まずは無料部分だけでもダウンロードしていただいていろいろ試しながら楽しんでいただきたいと思います。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る