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「伝説になる名列車だ」「鉄道員の魂を感じ取った」 8時間遅れで東京着、常磐線特急「ひたち22号」感動物語(1/2 ページ)

東北新幹線と東北本線、常磐線には「深いきずな」がありました。

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 新幹線の再開まで任せろ──。品川駅と仙台駅を結ぶ常磐線特急「ひたち」の活躍が大きな感動を呼んでいます。

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東北新幹線、東北エリアの人を支える活躍を見せた特急「ひたち」(写真:呼んでる渋沢)

 2021年2月13日に発生した地震で設備障害が発生し、2月14日から東北新幹線、山形新幹線、秋田新幹線が特定区間で運転を見合わせ。全線復旧まで10日前後かかる見込みと告知されています(関連記事)

 現在、受験シーズンの真っ只中。人生・将来を掛けて移動する人も多くいました。那須塩原〜一ノ関駅間の上下線で終日運転を見合わせた東北新幹線の代わりに、JR東日本は東北から東京までの在来線迂回ルートの告知や代替輸送などとともに、仙台駅発着の「ひたち」を増発しました。

東北新幹線と東北本線、常磐線には「深いきずな」がある

 東京駅と盛岡駅を結ぶ「東北本線」、日暮里駅と宮城県の岩沼駅を結ぶ「常磐線」。どちらも首都圏と東北地方をつなぐ主要路線です。上野駅から東北地方へ向かう長距離列車は、どちらかの路線を経由して北へ向かいます。東北地方からはそれぞれの路線を使って東京までたどり着きます

 東北新幹線が開通したあとも常磐線の特急ひたちは上野駅と仙台駅間で走り続けました。東北本線で事故や災害が発生したときは、上野駅と札幌駅を結んでいた寝台特急「北斗星」が常磐線へ迂回して走ることもありました。

 東北新幹線と東北本線、常磐線は互いを支え合って走り続けるきずなで結ばれていました。

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寝台特急「北斗星」も障害発生時に常磐線を迂回したことがある(写真:呼んでる渋沢)

東日本大震災の壊滅的な被害から9年、常磐線が全線復旧

 2011年3月11日に発生した東日本大震災で常磐線は壊滅的な被害を受けました。路線が寸断され、首都圏と東北地方をつなぐ東北本線のバイパス路線としての役割を果たせなくなりました。特急ひたちも福島県のいわき駅止まりとなり、仙台まで姿を見せなくなりました。

 しかし、沿岸部から内陸部への線路移設なども含めた極めて大掛かりな復旧作業を終え、常磐線は2020年3月、9年ぶりに全線開通しました(関連記事)。特急ひたちも再び仙台に戻ってきました。

そしてかつての役割を取り戻す 悪天候でも、8時間遅れても、終点東京までたどり着いた「ひたち22号」

 2021年2月13日に発生した地震で、東北新幹線が一部不通に。全線復旧から1年経ったばかりの常磐線が補完することになります。そう、かつての姿と役割が戻ってきた瞬間でした。

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東北新幹線の迂回路として常磐線が使われる(JR東日本プレスリリースより

 中でも2021年2月14日、仙台発品川行きの「ひたち22号」が絶望的な悪天候の中、仙台駅出発時点で約4時間遅れという運休にもなりかねない状況ながらも運転を行いました。必要としている乗客のため、未来のある受験生のために──。東北新幹線が使えない中で東京行きの列車を維持してくれたことに、夢を結んでくれたことに安堵した人は多かったはずです。

 ひたち22号は行き先を上野駅に変更し、強風のため停止や徐行を繰り返しながらも約8時間遅れで終点の上野駅に到着しました。到着は深夜2時38分でした。

(参考)【感動】8時間遅れ、特急ひたち22号物語(がみ/YouTube)

 新幹線を支える常磐線の姿に「復活して本当に良かった」「常磐線の意地を感じた」などの声が多数。特にひたち22号の活躍に「伝説の名列車」「鉄道員の魂を感じ取った」などと喚起した鉄道ファンとともに、乗客のために尽力した姿に感動したツイートがたくさん投稿されました。

 東北新幹線の復旧まで、よみがえったばかりの常磐線とひたちが首都圏と東北地方をつないでくれることでしょう。人生も乗せて走る──。ひたち22号を意地でも走らせたJRの心意気にも感謝です。



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