ネトフリさん、ほんまアコギな商売してまんな――裏社会で数々の伝説を残した元極道の龍が、極道から足を洗い、主夫の道を極める専業主夫となった姿を描いたアットホームギャグコメディー『極主夫道』がNetflixオリジナルアニメシリーズとして4月8日から全世界独占配信開始となりました。
原作は、新潮社のWEB漫画サイト「くらげバンチ」でおおのこうすけさんが連載中の同名漫画。かつて“最凶”の極道「不死身の龍」と呼ばれた漢が、家族や町の平和を守る姿を描いた同作で、龍を演じるのは憂いを帯びた低音ボイスと豊かな表現力が魅力の津田健次郎さん。かねて同作との縁が深い津田さんに話を聞きました。
龍役は「やらない理由がなかった」、オファーは即決
―― 今回、龍役はオーディションではなくオファーだったと聞きました。思えば、原作コミックス1巻の発売記念で作られたCMで声優を務めたり、クセがすごい実写版PVでも主演/監督をされていたので自然な流れではあります。津田さんは『極主夫道』のどこに魅力を感じて今回のオファーを受けたのかをあらためて教えてください。
津田 オファーをいただいた時点で、即答で「ぜひやらせてください」という感じでした。『極主夫道』という漫画原作自体がとても面白いことがまず大きな魅力。それに加えて、龍もすごく面白いキャラクター。だから、これをやらない理由がないといいますか、「もちろんやらせていただきます!」という気持ちでした。
―― 2019年12月に公開された『極主夫道』の実写版PVは「マジでこの人にやらせる為に描いた漫画だと思っちゃう」「中毒性のある実写」などの声が寄せられ、1200万回以上再生されました。津田さん自身、かなり作品を理解した状態でアニメの収録に入られたと思いますが、アニメと実写で演じ方の違いはありましたか?
津田 かなり原作を読み込みましたし、思い入れも強いです。ただ、演じることに関してはほぼ違いがなくて、アニメのアフレコで(実写版PVのような)扮装(ふんそう)をしていないことくらい。今作は今千秋監督が主導で音響監督が明田川仁さん、お二人のイメージを僕としても一番大事にしていかなくてはと考えていたので、リクエストに応えていくことに専念した感じではあります。とはいえ、アフレコに入る前からキャラクター的には僕の中ではできあがっていた感じがあって、監督や音響監督さんとのイメージの相違もあまりなかったので。すんなり。
―― 今作もそうですが、漫画のコマ割りのような“動かない”演出は特徴的ですね。
津田 そうですね。実写版PVのときも、原作の良さやコマ/カット割りを極力大事にしていこうと思って作ってました。今作も原作を相当大切に作り上げられているアニメーションなので、そういう意味では共通していて、全く違和感なく。「そうですよねそこが面白いところですよね」みたいな部分をアニメーションでもとても大事にしている感じはあります。
―― 演出について監督にリクエストしたことは?
津田 いえ、全く。本当に一瞬たりともそれはなくて。声優として今作に参加するにあたり、今監督の感性を一番大切にすべきと考えていたので。分からないことを質問することは多少ありましたが、こちら側から何かをリクエストするみたいなことは、全く。
―― 津田さん自身が作品を問わずそういうスタイルなのでしょうか。
津田 そうかもしれません。基本的には監督さんや音響監督さん、あるいは脚本家さんの感性に乗って、しかもそれはある種のジャッジを重ねて、作り上げられているものでもあるので、そこに何か投げかけていくことは基本的にないです。ただ、アドリブを入れていくとか、「こういうふうにしたらもっと面白くなるかな」を現場でやっていくことはありますけど。
全ての答えは原作の中に
―― 2020年にはテレビドラマも放映されましたが、第4話のナレーションで津田さんが突然登場したのはネットでも「ついに降臨」「耳が幸せ」など大盛り上がりでした。アニメのアフレコとどちらが先だったのかは分かりませんが、こうした関与は芝居に影響を及ぼした?
津田 ないですね。その前にもう芝居といいますか、キャラクター作りが出来上がっていった状態だったので。
―― なるほど。龍を演じる上で津田さんが共感できる、いわゆるやりやすさを感じた点とそうでないところを1つずつ挙げるなら?
津田 あまり理由めいたものはないんですが、最初から演じやすかったです。演じやすいからよいというわけではもちろんないのですが、違和感なくすっと入れたんです。それは多分、原作を読んで『極主夫道』と龍の面白さみたいなものがスッと入ってきていたからだと思います。
それに対する芝居も、きっとこうやればコメディーとして面白いんじゃないか、キャラクターがより魅力的になるんじゃないかみたいなものの道筋が原作の中に答えがあるといいますか、アレンジする必要がない。原作に描かれているもののよさをしっかり抽出した芝居ができれば絶対にOKだという、そういう部分がかなり大きかったからだと思います。
だから、やりにくさも特になかったですが、強いて挙げろというなら、関西弁。龍は関西弁をしゃべります。僕も(出身が)大阪なのでしゃべれるのですが、いわゆる関西弁の言い回しであまりみられない表現の仕方が龍のせりふの中にたまにあるんです。原作のそれをどう関西弁に落とし込んでいくかというのはありました。
ただ、原作のおおの先生も、今監督も、関西弁に固執しているわけではなくて、「自分なりに落とし込んでいただいちゃって大丈夫です」といったお話をさせていただいたこともあり、苦労というほどのものではないです。
自分の「コメディーの代表作」となっていく感触がある——
―― 声優としての津田さんのこれまでを考えるに、「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」の海馬瀬人役が転機、最近で言えば「ゴールデンカムイ」の尾形百之助もそうかもしれないと感じます。津田さんが今作で龍役を演じられたことは、どんな意味を持つように感じますか?
津田 もともとコメディーがすごく好きなのですが、意外にコメディーはやってないんです。そういう意味で自分的なコメディーの代表作といいますか、そうなっていく作品だという感触があって、それはすごくうれしいことです。いかついキャラクターも結構やってきましたけど、それとは別種の“いかつかわいい”。そういう魅力を持ったキャラクターは僕にとってある種の新境地でもあるので、やっていて非常に楽しいです。
―― 作品としてはパート2を作りやすい構成だと思いますが、もしオファーが来たら?
津田 いやもう即答。「やりまーす」って絶対言います。何なら「僕じゃない可能性あるんですか?」って(笑)。おおの先生に早くいっぱい原作溜めてくださいよと思っていたりもします(笑)。
―― 少し話を変えますが、先日は声優アワードで主演男優賞の受賞おめでとうございます。津田さんは声優に限らず、さまざまな表現活動をされていますが、声優アワード受賞が津田さんの声優活動にどんな変化をおよぼすのか気になります。これで声優は1つの極みに達したと考えるのでしょうか。
津田 ありがとうございます。自分は賞に縁がないものだとばかり思っていたので、ありがたいと感じる反面、意外でしたしびっくりしました。演技的に極まったという思いは全くなくて、もっと面白い表現だったり、自然な表現だったり、エンターテインメントしていくことだったり、演技的な課題はまだたくさんあるので、もともともっと精進していかなくてはという思いでいます。賞をいただいたことで、へたな芝居はできないなという思いがさらに強まりました。
―― ねとらぼでは今後も注目していきたい方をより深く知りたいと考えていて、津田さんに幾つか簡単な質問をさせていただきたいです。まず、津田さん自身を3つの言葉で表すとしたら?
津田 マイペース、こだわり、んー……浮かばない。低音(笑)。
―― 津田さんが声優活動をされる中で一番影響を受けたアニメ作品を1つ挙げるなら?
津田 「AKIRA」。これ完全に好きなアニメなんですけど。
―― 津田さんが考える、世の中で一番深刻な問題は?
津田 不寛容さ。
―― ありがとうございます。いつの日か津田さんにあらためて取材をさせていただきたい気持ちですが、本記事の締めとして、アニメ「極主夫道」の見どころをお願いします。
津田 とにかく気軽に観られる、面白くてとても優しい多様性にあふれた素敵な作品になっているので、どういう方が見ても楽しめると思います。ぜひご覧ください。よろしくお願いします。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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