子ども向け玩具の「マジック魔法刀」が終売になることが明らかになりました。玩具などを取り扱う堀商店のツイートがきっかけで話題となり、悲しみの声が集まっています。
「マジック魔法刀」とは、ナイフのような見た目のおもちゃ。一見本物のように見えますが、先端が物に当たると刃の部分が引っ込むので、刺さることがないという安心設計になっています。
この「マジック魔法刀」を取り扱っている堀商店(@horishoten)が9月21日、Twitter上で「長い間、わんぱくキッズ達を楽しませてくれた『マジック魔法刀』が廃盤商品となってしまいました」と発表。廃盤理由として「内職業者さんがご高齢で継続が困難な事と安い中国製商品が増えてきた事。ここが潮時と判断されたそうです」とツイートしました。
この投稿に対してネット上では、「悲しい」「な、なんてことだ...。お世話になりました」「これでいっぱい遊ばせて頂きました。楽しい一時をありがとうございました。」といった、人気商品の廃盤を惜しむ声が寄せられました。
編集部では「マジック魔法刀」の卸元であるユーキの社長に、終売の理由について聞きました。
「40年以上続けてきたものが終わってしまうのはつらい」「同時に潮時かなとも思う」
――まず、マジック魔法刀の終売理由を教えてください。
マジック魔法刀は、ばねや刃、持ち手などといった国内メーカーのパーツを集めて作っています。そのパーツを内職屋さんが組み立て、加工して箱詰めして商品にしているんです。同じ内職屋さんが昔からずっと作ってくれていたのですが、40〜50年販売してきた商品なので、その方がもうかなりご高齢なのと、市場の状況の変化も理由です。
うちは小売りではなく卸元で、360個を1ケースで問屋に卸すという風に仕事をしています。しかしその問屋さんからの注文が、昔と比べると落ちてきてる。同じような中国産の商品が市場に出回っており、そちらにお客さんが行ってしまったり、売れ行きが昔ほどではなくなってきたので、潮時かなと。それで製造を止めて終売にしたということですね。
――なるほど。では、玩具店などの市場在庫がなくなり次第販売終了ということでよろしいでしょうか。
そうなりますね。
――ネットでは終売ということで悲しみの声が多く寄せられていますが、最後に反響について何かコメントをいただくことは可能でしょうか。
私も同じ気持ちです。自分も今50過ぎで、小学生の頃から記憶にあるものですしね。40年以上やっていたものが終わってしまうのはつらいことです。そういった声にお応えして、もしまた別の内職屋さんが見つかって復活できれば……という気持ちもないことはないのですが、同時に潮時かなとも思うのです。
弊社ではレストランなどで提供されるプラスチックおもちゃや、100均のおもちゃなど、小物玩具が主な商品となっています。しかし歴史があって一番メジャーな商品は「マジック魔法刀」でした。本当に長く親しまれていた商品でした。
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