10月13日、TVシリーズ「スタートレック」のジェームズ・T・カーク船長役で知られるカナダ出身の俳優ウィリアム・シャトナーが、米民間航空宇宙企業ブルー・オリジン(Blue Origin)の宇宙船「ニューシェパード」で宇宙へ飛び立ち、無事帰還しました。これにより90歳のウィリアムは、史上最高齢で宇宙へ行った人物となります。
ウィリアムは地球に帰還後すぐ、自身のTwitterに感想を投稿。「世界から自分がどう見えているかはわかりませんが、私自身は、目の前にいまだ発見されていない真実の大海原が広がるなか、ただ浜辺で遊んでいる少年のようで、ちょっと滑らかな小石、美しい貝殻を見つけては夢中になっていただけなのです」と90歳最高齢での宇宙行きが話題になっている自身を「少年」と表現するなど、広大な宇宙への感動冷めやらぬ様子が伝わるツイートをしました。
これには多くのリプライが付き、「感動的な言葉。深いインパクトを与えられたことがわかる。生命としての地球、死としての宇宙、そのはかなさの全てを私が経験したことのないやり方で表現している」「今年最高のツイート」「素晴らしい。シャトナーが私のプレッシャーを取り除いてくれた。来年80歳になるけれどまだ最高齢で宇宙に行くプランを練らなくてもいい」と、SF作家としての顔も持つウィリアムの言葉に感銘を受けた人も多かったようです。
また、「レナード・ニモイも一緒に行ってほしかったな、もう無理だけれど」と2015年に亡くなった「スタートレック」でMr.スポック役を演じたレナード・ニモイと一緒に行く姿を夢見るファンのコメントも見られました。
米通販大手のAmazon.com共同創業者であり、ブルー・オリジンを立ち上げたジェフ・ベゾスに出迎えられたウィリアムは、感動の涙を流しながら「信じられない」「誰もがやるべき」と宇宙旅行について述べました。その体験を「無重力があって、それから青い色があっという間に過ぎていってしまって、もう黒い色のなかにいる」「そして下を見ると青色があって、上には黒がある。母なる大地と安らぎがあって……そこには死があるのだろうか? それが死?」と必死に伝えようとしていました。時間にするとわずか10分の宇宙旅行ですが、それが90歳のウィリアムにどれだけ深い感銘を与えたのかが伝わってきます。
ブルー・オリジンが有人宇宙飛行を成功させたのはこれが2度目で、すでにチケットが販売されている宇宙旅行の予約はいっぱいだといいます。カーク船長が宇宙に感動するという姿、さらに90歳での宇宙旅行を成功させた事実に、多くの人が夢を膨らませることでしょう。
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