作家の津原泰水さんが10月2日に逝去していたことを、津原さんの著作を多く出版した河出書房新社が伝えました。58歳でした。
河出書房新社公式Twitterでは「小説家の津原泰水さんが、闘病の末、10月2日に逝去されました(58歳)」と報告。続けて、「ご家族からのご連絡を受け、お知らせいたします。突然の訃報に、関係者一同、大変驚いております」と驚きを伝えています。
この訃報にファンや著名人からは悲しむ声が多くあがっています。漫画家の田亀源五郎さんは「『妖都』を出された頃、ひょんなご縁で一度だけ某所でお会いしてお話したことがある」と津原さんとの思い出を振り返りながら「両性具有的な美の可能性について、文章を生業にする方と自分のように絵を生業にする者の、捉え方の違いに感銘を受けた記憶が。合掌」と追悼。
また、映画評論家の柳下毅一郎さんも「『バレエ・メカニック』に解説を寄せさせていただいたときは嬉しかった。謹んでお悔やみ申し上げます」とツイート。作家の藤井太洋さんも「長春の旅が最初で最後の交流でした。再びお話できる日を待っていたのですが、残念です」と悲しみをにじませています。
津原さんは少女小説家“津原やすみ”として1989年に小説家デビュー。その後、1997年に“津原泰水”として『妖都』を発表し、幻想小説家としての活動をスタートさせます。2006年に出版された『ブラバン』はベストセラーとなり、2011年『11 eleven』は第2回Twitter文学賞国内部門で1位に。また、2014年には『11 eleven』に収録されている「五色の舟」が近藤ようこさんによって漫画化され、第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞しました。なお、河出書房新社の『文藝』によると、連載していた『夢分けの船』が最後の小説となったとのことです。
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突然の訃報に驚きが広がっています。