“イェ(Ye)”こと米ラッパーのカニエ・ウエストが10月3日(現地時間)、パリで開催されたファッションショーに出席。当日に着用したシャツに「WHITE LIVES MATTER」と記されていたことを巡り、モデルのジジ・ハディットやファッション誌『VOGUE』を巻き込んでさらなる騒動へと発展しています。
イェが出席したのは、自身が設立したブランド「Yeezy」のファッションショー。黒人差別抗議運動「BLACK LIVES MATTER(黒人の命を軽視するな)」が記憶に新しい中、イェは真逆の標語「WHITE LIVES MATTER」と記されたシャツをイベントで着用し、SNS上では物議をかもしていました(関連記事)。
イベントに出席していた『VOGUE』スタイリスト兼編集者のガブリエラ・カレファ・ジョンソンは、4日にInstagramのストーリーズを更新し、「とても危険」とシャツへの批判を込めたテキストを投稿。直後にも「分かってほしい。これこそが暴力そのもの」「彼は革新的なアートというけれど、そんなことは絶対にない」と訴えています。
これを受けてイェも4日にInstagramを更新し、ガブリエラに抗戦。すでに投稿は削除されていますが、現地メディアPage Sixによると、「本当に彼女はファッション関係者なのか」「アナ・ウインター(米版『VOGUE』編集長)はそのブーツを気に入らないと思うんだけどね」と、ガブリエラのコーディネートを公開し、彼女のファッションセンスをやゆしていたとのことです。
続けて、イェは自身のもとに届いたテキストメッセージを公開。明確な意図は不明ですがそこには、「ライター(ガブリエラ)を侮辱するのはよくないと思う」「彼女の意見に真正面から向きあった方がいい」と知人とみられる人物からの“お叱り”がつづられていました。
さらに、イェが公開した“お叱り”投稿に、モデルのジジ・ハディットがコメントし参戦。「せめて彼女(ガブリエラ)のほんの数パーセントほどの知性があなたにあれば良かったのにね」「あなたは作品(シャツ)について何も考えてないみたいだけど、彼女があなたを救える唯一の人物かもしれないんだよ」「批判も許されないイベントへの招待のどこが“名誉”なの?」「あなたはただのイジメっ子。冗談じゃない。あきれる」とイェの一連の言動を痛烈に批判しています。
また、『VOGUE』側は5日にInstagramを更新し、ガブリエラへの支持を表明。「私たちは彼女とともにある」「今回、彼女は個人的にターゲットにされた。断じて許されない行為」とイェの言動を糾弾しながら、「個人的にガブリエラとイェは話し合いをした」「彼女の思うように、率直に話すことができた」と和解へ向けミーティングの場を設けたことを報告しています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「ロード・オブ・ザ・リング」有色人種起用に差別的攻撃 イライジャ・ウッドらホビット俳優が「どんな人種も歓迎」Tシャツでニッコリ
映画版ではほとんどが白人俳優だった。 - ノーモアカニエ! カニエ・ウエスト、“Ye”に正式改名 2024年大統領選で当選すれば、“イェ米大統領”誕生か
名字、ミドルネームはなし。 - 俳優コール・スプラウス、抗議デモで逮捕されていたことを公表 「白人男性だからといって特別視しないで」
「スウィート・ライフ」シリーズや「リバーデイル」などのドラマ作品に出演。 - オスカー女優ハル・ベリー、批判を受けトランスジェンダー役を降板 「引き受けるべきでなかった」と謝罪
2018年のスカーレット・ヨハンソンに続き。 - 「愛の方がうるさい世界にしよう」 青山テルマ、黒人差別を受けた経験告白、差別に向き合う姿勢を呼びかけ
人の気持ちに寄り添うきっかけに。 - オスカー・ビンタ事件から半年 ウィル・スミスへのリアクションが日米で正反対だった理由 米国特有の“ロースト文化”とは
「2人が癒され、話し合い、和解することを心から願う」とジェイダ・ピンケット・スミス。 - 実写版「リトル・マーメイド」予告編に反響、アリエル役歌手の美声に「声を聴いた瞬間推せる」 “肌の色”理由に反発も
名楽曲「パート・オブ・ユア・ワールド」を歌い上げています。 - 女王マドンナ、松葉づえをついて抗議デモに参加 「もはやアメリカだけのムーブメントじゃない」
アフリカから引き取った養子4人も同行。