松本・浅間温泉でひと息入れて、月見気分で駅弁旅!:松本「月見五味めし」(700円)(1/3 ページ)
松本といえば松本城ですが、郊外に温泉地がある「温泉のまち」でもあります。松本城のお殿様も愛したという浅間温泉で疲れを癒やし、帰りの電車でぜひ食べたい駅弁です!
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
【ライター望月の駅弁膝栗毛】:月見五味めし
国宝・松本城がそびえる信州・松本は、郊外に温泉地がある「温泉のまち」でもあります。なかでも、浅間温泉は1000年以上の歴史を誇り、松本城のお殿様も愛した、由緒ある温泉です。少し熱めのアルカリ性単純温泉で、旅の疲れを癒したら、帰りの旅路でいただきたい、松本城のお殿様ゆかりの駅弁と合わせてご紹介いたしましょう。
新宿からの特急「あずさ」が、諏訪湖の畔を駆け抜けていきます。この辺りに降る雨は、諏訪湖から天竜川に流れて遠州灘に注ぎます。次の岡谷の先にある塩尻に降る雨は、奈良井川、犀川を経て千曲川に合流。信濃川となって日本海へと注ぎます。中央本線・岡谷〜みどり湖間にある「塩嶺トンネル」は、中央分水嶺を越える約6kmのトンネルです。昭和58(1983)年に開業、辰野回りだった「あずさ」の大幅な時間短縮を実現しました。
多くの「あずさ」の終着・松本の駅前から路線バスで20分あまり、市内の「浅間温泉」へ足を運んでみました。浅間温泉は開湯1300年とも云われる歴史ある温泉。江戸時代は松本城のお殿様も通ったと言います。浅間温泉は日帰り入浴が充実しているのも特徴。なかでも、「ホットプラザ浅間」は、営業時間(10:00〜24:00)が長めで、最寄りのバス停もあって、旅行者には使いやすい施設です。
ホットプラザ浅間の前には無料の足湯もあり、気軽に温泉を楽しめるようになっています。注がれているお湯は、アルカリ性の単純温泉ですが、ポカポカした感覚がいつまでも続き、よく温まります。大正13(1924)年〜昭和39(1964)年までの40年間、浅間温泉へは松本駅前から路面電車が出ていました。いま、その面影が感じられる場所は、ほとんどありませんが、温泉でぬくぬくしながら、古の景色を思い浮かべてみるのも良さそうです。
松本城のお殿様も愛した温泉を楽しんだら、殿様ゆかりの松本駅弁をいただきたいもの。松本駅弁・イイダヤ軒の「月見五味(ごもく)めし」(900円)は、随一のロングセラーです。この駅弁は、松本城主・石川数正が、鳥や山菜といった狩猟の獲物を武者料理して、松本城の月見櫓で宴を催し、月を眺めながら城下の繁栄を願ったという言い伝えに由来。いまはボックスタイプのパッケージに、プラスチック製の丼型容器が入っています。
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