カナダ出身で米国籍を持つ俳優/プロデューサーのマイケル・J・フォックスが、アカデミー賞の1つで映画業界の発展に貢献した人へ贈られるジーン・ハーショルト友愛賞を受賞しました。マイケルは受賞スピーチで、29歳で診断されたパーキンソン病と自身との歩みについて語りました。
大ヒットシリーズ「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作完結後の1991年、キャリア絶頂期でパーキンソン病と診断されたマイケルは、そのとき「あと10年で引退しなくてはいけない」と告げられたとのこと。そして「7年間、全てを否定し、理解しようとした」とし診断のことを一握りの人にしか話せなかったそうですが、幸い彼らはみんな秘密を守ってくれたといいます。
その後、自身のキャリアが大ダメージを受けることを知りつつ公表することを決意。当時は米ドラマ「スピン・シティ」に出演していましたが、共演者やスタッフ、映画業界の仲間や世間からも「支援」や「すばらしい反応」を受けたと感謝を述べました。
病気の公表後はパーキンソン病研究などの支援に乗り出し、2000年には「パーキンソン病研究のためのマイケル・J・フォックス財団」を設立。リサーチや資金集めなど日々精力的に活動し、より新しい治療法などの研究を進めており、マイケルは「科学はいつもお金より進んでいる」と研究を実用化させるためにはまず多額の投資が必要であることを強調。
告知以来、症状は「悪くなるばかりだということはわかっていた」と述べたマイケルは、パーキンソン病のことを「奪い続けるギフト」と表現。「でも、それはギフトなんです」と口にし、パーキンソンコミュニティーに足を踏み入れてから、自身の活動を通して与えられたものの大きさをうかがわせました。
マイケルはスピーチ中、診断を受けたとき「ずっと一緒にいてくれるとはっきり言ってくれた」と結婚して34年になる妻で俳優のトレイシー・ポランへの感謝を示し、トレイシーも目を潤ませる瞬間がありました。途中、震える手がオスカー像に当たりそうになるといった病状の進行を感じさせるシーンも見られながら、無事スピーチを終えると「こんなに長い時間ここに立ってるなんて信じられない、奇跡だ」とジョークに。「もう歩くことも、これ(オスカー像)を運ぶこともできない」と手助けを求めてトレイシーを壇上に呼び、キスを交わしました。
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