1,低価格普及機
Quest 2 (2020)
「低価格普及機」の代表格は2020年に登場したMeta「Quest 2」です。「6DoF+PCVR対応のフルのVR体験」が可能な4K解像度のマシンでありながら、それまでの常識を根底から覆す超低価格でVRを大きく普及させ、2022年の「メタバース」ブームの大きな原動力になりました。Metaは出荷台数を公開していませんが、2022年6月時点でなんと1500万台を超えたという推計もあります。
- 価格:5万9400円 ※128GBモデル
- 解像度:1830×1920 px (片目) 約4K
- 重量:約503グラム
PICO 4 (2022)
そんなQuest 2一強だったVRゴーグル界に、2022年に彗星のごとく登場して大きな話題になったのが、TikTokを運営する中国ByteDance社の「PICO 4」です。Quest 2より高解像度で低価格、さらにフルカラーパススルー対応というしゃれにならないマシンです。
- 価格:4万9000 ※128GBモデル
- 解像度:2160×2160 px (片目) 約4K
- 重量:約589グラム ※MoguLive計測
- フルカラーパススルー対応
2.ハイエンド(A)「スタンドアロンMR機」
Quest Pro (2022)
ハイエンド機のうち、単独で動作するスタンドアロン性と、物理現実と仮想現実(VR)を融合する「複合現実(MR)」体験や高解像度フルカラーパススルー機能を重視しているのが「スタンドアロンMR機」です。これらはエンタメだけでなくビジネスの利用も想定されており、各種業務用アプリケーションとセットで提供されています。代表格は2022年に発売されて話題となったMeta「Quest Pro」です。Quest Proはなんと「アイトラ」と「顔トラ」を標準搭載しています。
- 価格:22万6800
- 解像度:1800×1920 px (片目) 約4K
- 重量:約722グラム
- アイトラ&顔トラを標準搭載
- セルフトラッキングコントローラー搭載
「アイトラ(=アイ・トラッキング)」や「顔トラ(フェイシャル・トラッキング)」というのは、眼の動きや顔・口の動きをリアルタイムにアバターに反映して、表現力や没入感を劇的に高める技術です。VIVEシリーズでは、私が普段使っている「VIVE Pro Eye」がアイトラを標準搭載しており、オプションの「フェイシャルトラッカー」で顔トラも導入可能になっています。
スタンドアロン機の弱点は手足の動きを検出するトラッキング性能が低いことなのですが、Quest Proの「Pro コントローラー」は「セルフトラッキング」と言って、コントローラーにチップセットとカメラ3台を内蔵するという訳の分からない力技によって高いトラッキング性能を実現しています。要は、このコントローラー1つ1つが自分自身の位置計測をするための小さなPCみたいなものなのです。
(余談ですが、将来的にセルフトラッキングに対応したトラッカーなどが登場すると、後述するライトハウス環境がなくても高精度なフルトラなどができるようになるかもしれませんね)
VIVE XR Elite (2023年2月〜発売予定)
VIVEが最近2023年1月のCESで発表して話題になった新機種がHTC「VIVE XR Elite」です。こちらはバッテリーを外した「メガネモード」では273gという超軽量で、さらにこの路線としてはかなりの低価格を実現して話題となりました。また、焦点調整により眼鏡ナシで利用ができる機能も搭載しています。有線・無線でのPCVRに公式対応しています。
- 価格:17万9000円
- 解像度:1920×1920 px (片目) 約4K
- 重量:約625グラム → バッテリーを外した「メガネモード」だと 273グラム
- 焦点調整で眼鏡ナシ利用可
後頭部のバッテリーを外すと超軽量の「メガネモード」になります。
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