與儀ケイラ、85キロから35キロ減量体験は「成功できることの証明」 14歳でNMB48卒業した元アイドルが踏み出すハリウッドへの一歩:私の人生が動いた瞬間(1/2 ページ)
ダイエット方法からモチベーションまで聞きました。
人生100年時代といわれる現代、「何歳からでも新しいステージに踏み出すのは遅くない」という考え方が広がっています。著名人も例外ではなく、ある分野で成功を収めた人が転機を経験し、別のフィールドで奮闘する姿は多くの人に勇気を与え、モチベーションやインスピレーションを与えています。
インタビュー連載 「私の人生が動いた瞬間」
與儀ケイラさんは11歳でNMB48の2期生としてデビューした後、14歳でアイドルを卒業し芸能界を引退。1年間のオーストラリア留学と普通の高校生活を経験し23歳となった今、モデル、俳優として新たなステージへの一歩を踏み出しました。
1月にはバラエティー番組「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ系)の名物企画「仰天チェンジ」に“85キロから35キロ減量した元アイドル”として出演し、それまで未公表だった増量期の写真やエピソードも赤裸々にさらして大きな話題に。アイドル時代のファンを驚かせながら、復活ののろしを上げました。ねとらぼでは時の人となった與儀さんにインタビュー。ダイエットのエピソードから、一度去った芸能界への再挑戦に賭ける思いを聞きました。
大減量は努力できることの証明 「あんたはここまでやれるんやで」
―― 今回、仰天チェンジの企画に応募しようと思ったきっかけは?
與儀ケイラ(以下、與儀) 決め手は母です。85キロまで太ってそこから35キロ減量した経験は、「あんたはここまでやれるんやで」という証明と言い続けてくれていて、悩んでるときにはいつも当時の話をされました。番組に応募するきっかけも、母が「面白いんじゃない」と薦めてきてくれたから。私としては正直悩んでいました。
―― 放送直後のInstagram投稿でも「初めはこの出来事を、世に出そうか迷っていて、出す時は、凄く勇気を出して思い切りました」とコメントしていましたね。
與儀 女の子ですから体形は一番気にするところ。アイドルとしてのプライドも残っていたから1年くらい踏み出せない期間がありました。でも2022年は運気が悪かったのか「あんまりうまくいかんな」と落ち込むことが多くて、芸能のお仕事もさせていただいてたんですけど全然。そのときも母に相談したら「もうこれ出しや」と。じゃあこうなったら、プライドも捨てて「やったろか」と思い切りました。
期待しつつも内心は「話題にならなかったらめちゃめちゃ恥ずかしい」「全然反響なくて、ただデブな時期を公開しただけになったらどうしよう」とそわそわしていました。お正月の時期に放送されたこともあり、結果的に多くの方が見てくださった。おかげさまですごく大きな反響をいただいてSNSのフォロワーも増えました。
私のことを知ってくださる方が増えただけでなく、「私も頑張ろうと思いました」という声が、特に女の子からたくさん届きました。これまで痩せたことは「努力するのが当たり前」としか思っていなかったけれどあらためて考えるとすごいことだったのかなと思えるようになったんです。自分の成し遂げたことが誰かの勇気になり、頑張ろうって一緒に思ってくれるようになったのはすごくうれしかったです。ファンの方はビックリしたみたいですね。
ちょっとだけ後悔もした 14歳でアイドルを卒業してから約10年、今の與儀ケイラ
―― 現在はどんなお仕事をしているのか、簡単に教えてください。
與儀 モデルやタレントとして幅広く活動しています。お芝居は勉強中でいまは舞台のけいこ中です。どのお仕事も楽しいので2023年はいろいろ挑戦したい。バラエティー番組にも出たいので、しゃべりの練習をしていかないと。大阪出身だとどうしても面白いことを期待されてしまうので、アイドル時代は「オチがない」とめっちゃ怒られていました。
―― 大阪人あるあるですね。與儀さんは11歳でNMB48に加入し、14歳でもう卒業。人生100年というスパンで見てもかなり早い時期に転機を経験していますが、なぜ当時この決断をしたのでしょうか?
與儀 番組で取り上げられたように、「アイドルとして節制を求められるのがつらい」という気持ちもありました。何より留学したい気持ちがあって、俳優の仕事に本気で取り組みたかったんです。アイドルも楽しかったけれど「女優さんのお仕事をしたい」「ハリウッド女優になる」と宣言して卒業しました。
―― 有言実行でNMB48卒業後はオーストラリアへ留学。いわゆる普通の高校生活を経験されたんですよね?
與儀 アイドル卒業時から「戻ってきます」と言っていたものの正直悩んでいました。11歳でデビューしてからのことはほとんど記憶にないんです。ハードすぎてよく握手会とかこなしていたなと自分で思うくらい。もともとすごく引っ込み思案でアイドルなんて全然知らないまま、小6で母や知人の勧めでオーディションを受けたらとんとん拍子でデビューできてしまった。今の年齢だったらもっと頑張れていたかもしれないですね。若すぎたし何が何だか分からないまま、1年があっという間に過ぎ去っていったという感覚。でも学んだことはいっぱいありました。
―― それでも芸能界へ、再び新しい一歩を踏み出そうと思えたきっかけは何だったんでしょうか?
與儀 留学中を含めて高校3年間は、普通の人というか、キラキラしていない場所で普通の生活をしていました。反面、こっちの世界が好きだという気持ちもあって、大きいステージに立っていたときを思い出したり、テレビで頑張る仲間を見てキラキラ輝く姿がかっこいいと思ったり。一方で、子どもが好きで保育園の先生になりたいと考えた時期もあったんです。でも役者ならどんな職業にも就ける。それでもう一度、芸能界へ戻ろうかという気持ちになったとき、焼き鳥屋のおじさんに相談したんです。
東京に上京するか決めきれず「マジで当たる」と評判の占いのおじさんがいる地元の焼き鳥屋さんで見てもらったら、「あんたはあっちの世界じゃないと生きてけないよ」と。それで決意しました。
―― このインタビューでは、再デビューへ踏み出すきっかけとなった人や言葉を聞きたかったんですけど、もしかして焼き鳥屋のおじさんなのでしょうか?
與儀 決め手はそうでした。最後の希望だったので、焼き鳥屋のおじさんに感謝です。地元へ帰ったらまた行こうと思います。
―― 予想外の答えでした。一度芸能界を去ったことを後悔したことはあったのでしょうか?
與儀 ちょっとだけあったかな。当時と今では時代が違うので、もっと別のお仕事ができていたかもと考えることはあります。でも当時は辞める決意がすごく固かったみたい。私自身は覚えていないんですけど、「もう私は女優で頑張るから」「留学へ行くから」と聞く耳持たずだったらしくて、運営の方から休業を勧められても「いえ、辞めます!」とキッパリ。そんなに辞めたい理由があったのかな?(笑)
―― 今でも機会があったらステージでかわいい衣装を着て、歌って踊りたいという気持ちは?
與儀 それは正直、恥ずかしい……。ぶりっこだったし、ダンスも歌もしばらくやっていないから。もしアイドルの役をもらったら全力でやりきります。いま思えば、当時のNMBでは今の私と同じ23歳のメンバーも一緒に活動していたんですよね。「こういう気持ちでやってたんだ」と不思議な感覚になります。12歳の子が入ってきたらそれは赤ちゃん扱いされるよなぁ。
―― 反対に一度芸能界を離れたからこそ、二度目の挑戦で生かせている強みはありますか?
與儀 握手会をこなした分、コミュニケーション能力には自信があります。留学経験もこれから海外で仕事をして生かしていきたい。英語は武器になるはず。日本だけじゃなく韓国やいろんなアジアの国で活躍できる人になりたい。その気持ちは留学を決めたときから変わっていません。それから私の父はブラジルとのハーフ。実は行ったことがないしポルトガル語もしゃべれないんですけど、いつか行きたいです。
―― 與儀さんと同じように、これから新しい一歩を踏み出そうとしている人へアドバイスやメッセージをお願いします。
與儀 苦手なやつだ!(笑) 「自分はできる」と信じ続けることが大事だと思います。怖さやプレッシャーがあるのなら、私はいつも音楽を聴いてリラックスする。オーディションなんてめちゃくちゃ緊張するタイプですが、最近は「自分が審査員なら案外ちゃんと見ていないだろう」と思うようにしたら気が楽になりました。真顔で「ランチは何食べよう」とか考えているはず。これから面接が控えている方も、そう考えてみたらちょっとは緊張もほぐれるかも。
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