近年、動物の虐待や飼育放棄、悪質な業者による繁殖・販売、不適切な飼養が社会問題となっています。個人や団体、地域が行き場をなくした動物たちを守るため、日々保護活動に取り組む一方で、動物たちが命を失う悲劇は後を絶ちません。
昨今、COVID-19(新型コロナウイルス感染症/以下、コロナ)の影響でペットを飼う人が増加。一般社団法人ペットフード協会の全国犬猫飼育実態調査によると、2021年の新規飼育者は犬がわずかに減少しているものの猫は昨年より多く、ともにコロナ前より増加している結果となっています。
そんなペットブームの裏には、多頭飼育崩壊や飼育放棄などの問題が潜んでいます。家族の一員としてかわいがられるペットたちが多くいる一方、飼育放棄されたたくさんの犬猫たちが愛情を求め、里親を探しているのです。
そこで、ねとらぼ生物部では保護動物と暮らす読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、尊ぶべき命の輝きや、愛する家族との暮らしの喜びを伝えていきます。
第24回は飼い主・ぴよさんと暮らす保護猫「チャコ」ちゃん、「クロ」くん(現在の年齢:2歳/3歳)。高齢で一人暮らしだった母との同居のきっかけとなった2匹との出会いを紹介します。
―― 2匹との出会いと、保護当時の状況を教えてください
ぴよさん:チャコは2020年の夏に出会ったサビ猫です。約10年前に実家に居着き、家と外を自由に出入りしていた先住猫(白猫)に付いてきました。親猫とはぐれた姉妹猫のうちの1匹で、生後1カ月ほどでした。
当時実家には70代の母が1人で住んでおり、先住猫と姉妹猫の計3匹のお世話は難しく……。チャコは姉妹猫といつも一緒で引き離すのはかわいそうでしたが、里親募集などを検討していました。
そんな折、他県に住んでいる妹に相談したところ、姉妹猫のうち1匹を引き取ってくれることになり、私は母と実家で同居して、先住猫とチャコのお世話をすることにしました。
クロは前から実家の庭に遊びにきていた元野良の黒猫です。汚れているものの体が大きく、性別が分からなかったため、妊娠しているかもしれないと考えました。
母とチャコに懐いており、野良猫ではないかもしれないといった懸念から迷いましたが、2022年の秋ごろから室内へ入ってくるようになったため保護。動物病院で診てもらったところ推定3歳で、去勢済みのオスでした。
健康状態に問題はなく、耳がカットされていなかった(避妊・去勢済みの目印がない)ため、獣医師は「誰かが去勢だけしたのかな?」と首をかしげていました。現在は拾得物預かり状態です。
―― 2匹の現在の様子を教えてください
ぴよさん:チャコは大好きな先住猫のまねをしたり、一緒に遊んだり、怒られたりしながら慣れていきました。保護後1年くらいは下痢や血便が続いて通院しましたが、徐々に落ち着いてきました。
サビ猫は人気のない柄だそうですが、とても賢くてかわいいです。猫語が通じると思っているのか「ニャーニャー」と話しかけてきます。
クロはなでてもらうのが大好きで、しょっちゅう母に甘えています。チャコとは一緒に遊んでいて楽しそうです。猫たちが幸せそうな様子を見ると、私たちも思わず笑顔になっています。
寝るときに寄り添う小さなぬくもりを感じると幸せを感じます。高齢の母1人の生活が心配になってきたところで、同居するいいきっかけになりました。
―― 最後に、保護動物に対する思いを聞かせてください
ぴよさん:保護当時、ほうきや手をかざすと怖がったり、黒い布がフワッと被さったりすると怒って威嚇していました。人に追い払われたり、たたかれたり、カラスに襲われたりと怖い思いをしてきたのだと思います。
やはり猫は室内飼いにするほうがよいと思います。3匹の最期まで、20年は自分自身も健康で快適な環境を保つよう頑張らねばと思います。
怖い思いをすることなく、皆にずっとのおうちができることを祈っています。
(了)
“ずっとのおうち”を見つけた2匹の穏やかな表情に心があたたまります。大好きな先住猫さんやお母さま、そしてぴよさんとの暮らしはきっと安心と幸せが満ちていることでしょう。
お母さまとの同居のきっかけとなった2匹との出会いにも運命を感じてしまいますね。これからもご家族で末永く、健やかに暮らしていってくださいね。
ねとらぼ生物部では、引き続き「保護動物のエピソード&お写真」を募集しています! 犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。
愛する家族との出会いのエピソードや、クスッと笑ってしまうかわいいお写真など、お気軽に【こちら】までお寄せください。皆さまからのご応募、お待ちしています。
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