映画「ハリー・ポッター」シリーズのアルバス・ダンブルドア役などで知られるアイルランドの俳優マイケル・ガンボンが9月27日に肺炎で亡くなりました。82歳でした。同シリーズの原作者J・K・ローリングやダニエル・ラドクリフら出演者がコメントを発表し、追悼しています。
マイケルの妻と息子の代理人は28日、「サー・マイケル・ガンボンがこの世を去ったことを報せるのは心が引き裂かれるような気持ちです。最愛の夫・父であったマイケルは肺炎により病院で、妻アンと息子ファーガスの傍らで穏やかに息を引き取りました。マイケルは82歳でした。このつらい時期に際し、プライバシーを配慮していただけるようお願いいたします。みなさんのサポートと愛のメッセージ、感謝いたします」とマイケルの訃報を伝えました。
シリーズの原作者J・K・ローリングはX(Twitter)へ「マイケル・ガンボンの訃報を耳にしたところです」と投稿。続けて「私が初めて彼を見たのは1982年の『リア王』でした。もしそのときにあの才能あふれる俳優が私の書いた作品に出演することになると言われたら、とても正気だとは思えなかったでしょう。マイケルは傑出した俳優であり、さらにすばらしい人物でもありました。ハリー・ポッターだけではなく『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』(※ローリング原作で2015年にドラマ化)でも、私は彼と仕事をするのが大好きでした。心から哀悼の意をマイケルの家族へ、そして彼を愛した全ての人へ送ります」とマイケルとの思い出を交えながらつづっています。
シリーズでハーマイオニー・グレンジャー役を務めたエマ・ワトソンはInstagramのストーリーズにダンブルドアを演じるマイケルの写真へテキストをつづった画像を投稿。「優しくて優しくて優しいマイケル・ガンボン。あなたは決して深刻になりすぎず、でもどういうわけか最も深刻な瞬間は、ものすごく重厚に演じるのです。偉大さを軽やかに身にまとう姿、見せてくれてありがとう。あなたがいなくなると寂しくなります」と語りました。
さらにハリー・ポッター役のダニエル・ラドクリフも声明を出し、「マイケル・ガンボンはこれまで僕が一緒にお仕事をさせていただいた人の中でも最もすばらしく努力を惜しまない人の1人でした。その計り知れない才能にもかかわらず、僕が忘れられないのは彼がいかに仕事を楽しんでいたかということです。ひょうきんで、不遜で、とても陽気。彼は自分の仕事を愛していましたが、決してそれに縛られているようには見えなかった」とコメント。
マイケルが記者と話すときには、「事実とフィクションの境界線をあいまいにする癖があった」とし、そのおかげで彼と一緒の記者会見は愉快に過ごせたと振り返りました。
ロン・ウィーズリー役のルパート・グリントはInstagramへホグワーツの食堂に立つダンブルドアの写真を投稿。「マイケルのことを聞き、とても悲しいです。彼は撮影現場で毎日、温かくていたずら好きでした。彼は子どもの僕を夢中にさせて、そして人生に楽しさと風変わりなことを見いだす僕の個人的なロールモデルとなっていきました。彼の家族へ愛を送ります。ルパート」とコメントで追悼しています。
アイルランドのダブリンで生まれ、幼いころロンドンへ移住したマイケルは1962年にダブリンで上映された「オセロ」で初舞台を踏み、その後、ロンドンのナショナル・シアターでオリジナルメンバーとしてキャリアをスタート。映画やテレビへも進出し、「コックと泥棒、その妻と愛人」(1989年)や「スリーピー・ホロウ」(1999年)など数々の作品で印象深い役を務めました。
1998年には演劇界での功績に対しナイトの称号を授与。ハリー・ポッター最初の2作でダンブルドア役を務めたリチャード・ハリスが2002年に亡くなり、「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(2004年)年から「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(2011年)まで、全8作中6作でダンブルドアを演じました。
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