保護主が声を掛けると、うれしそうに応じるカラスの姿がX(Twitter)に投稿されました。投稿は記事執筆時点で162万件表示され、1万1000件以上の“いいね”が集まっています。
投稿者さんにくちばしのお手入れをしてもらっているのは、ハシブトガラスの「呂色」さんです。呂色さんは2018年に横断歩道脇で骨折、衰弱していたところを投稿者さんが保護し、終生飼養登録を行った個体です(関連記事)。
投稿者さんによると、呂色さんの上のくちばしには先端が歪んで伸びてしまうクセがあるとのこと。くちばしが伸びてくると細かいものがつまみにくくなるようで、呂色さんはくちばしが伸びる=ごはんが食べづらくなるということをきちんと理解しているようです。
来月あたりにくちばしのお手入れをしようかなと思っていた投稿者さんですが、呂色さんはこのところ投稿者さんに何かとくちばしを見せてきていたそうです。そこで「切る?」と聞いてみたところ、うれしそうにお返事をしながらこちらに来てくれました。
くちばしの先端を爪切りでカットしているときも、グラインダーで整えているときもしっかりとくちばしを開き、投稿者さんを見ている呂色さん。くちばしのお手入れの必要性を理解しているのはもちろん、どうしたらお手入れがしやすいかということさえも理解しているように見えます。
病気やケガの予防のために必要なことであっても、爪切りやブラッシングといったお手入れを嫌がる動物は少なくないもの。自分に必要なことを理解し、自らしてほしいとアピールする呂色さんの行動には驚くばかりです。
実はカラスに限らず、鳥類のくちばしは日々少しずつ伸びていきます。基本的には日々の生活の中で自然に削れるため何かする必要はありませんが、何らかの理由があって上手く削れない場合はお手入れする必要があります。呂色さんの場合は、大体月に1回くらいのペースでお手入れしているそうです。
カラスのかわいさと賢さがよくわかるこちらの動画には、「おりこうさんですねー!カワイイです」「整えてもらうと良い感じってわかっているのね。カラスって本当に賢い!」といった、たくさんのコメントが寄せられています。
なお日本国内では法律により、許可なく野生動物(鳥類、哺乳類)を捕獲することは禁止されています。また動物がケガをしていた場合でも、基本的には触れずに「自然に任せる」ことが原則とされています。
保護目的であっても野生動物の無断飼育は法律違反の可能性があるため、どうしても見過ごせない場合は必ず行政に連絡し、指示を仰ぐようにしてください。
投稿者のvanillaさんは呂色さんを筆頭に、大型インコの1種・ヨウムやクロインコといった、たくさんの鳥たちと暮らす日々の様子や鳥に関する情報をX(@vanilla_crow)とブログ「TRIIIIIICO!」に投稿しています。鳥好きさんは遊びに行ってみるとよさそうです。
画像提供:vanilla(@vanilla_crow)さん
(三日月 影狼)
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