中身が入った“人の財布”を販売!? 瞬く間に完売のユニーク商品、アイデアはどこから? 制作元に聞く(1/2 ページ)
「架空の持ち主が存在し、中身ごと購入できる」財布が「天才」「欲しい」と話題に。
他人の財布を中身ごと販売!?――そんな一風変わったコンセプトの商品が「天才」「欲しい」と反響を呼び、完売が続いています。その発想はどこから生まれたのか聞きました。
「人の財布」という直球なこの商品、「架空の持ち主が存在し、中身ごと購入できる」というもので、中には学生証やレシートなどさまざまなものが入っています(※金銭は入っていません)。財布の中身から連想されるキーワードをネットで検索することで、いくつかのWebサイトにたどり着けたり、作中の登場人物から直接メッセージが届いたりと、ある種の謎解きゲームとなっています。
人の財布は10月20日にPARCOが運営するアートフィギュアブランド 「1/ ONE SLASH」からオンラインショップで発売され、1日足らずで完売。その後2回再販されましたが、いずれもすぐに売り切れています。
謎めいた財布の制作を担当したのは、ゲームブランド「第四境界」。「人の財布」が誕生した裏側を聞きました。
――「人の財布」のアイデアはどのように生まれたのでしょうか
第四境界 私たち「第四境界」は、ARG(代替現実ゲーム)と呼ばれるゲームジャンルの制作を得意としており、「Project:;COLD」という作品も手掛けております。誰も見たことがないような物語体験の創出を目指して活動しており、今回の「人の財布」もその一環です。
私たちが大切にしていることは、どのようにして物語に没入してもらうか、その入り口の設計です。
そこで「人の持ち物を拾い、そこから物語が始まれば面白いのではないか」という考えに行きつきました。そして、どういったモノを拾えば面白いだろうか、ということを考えた結果、財布がベストだと思ったのです。
――すぐに完売する人気となっていますが、反響について感じたことをお聞かせください
第四境界 「人の財布」は詳しく説明しないからこそ没入感があり、発見したとき、手に取ったときに驚きがある商品です。ですがそれは、伝わりにくいということでもあります。そのため、私たちもどこまで手に取っていただけるか未知数だったのですが、この反響は私たちの想定を遥かに超えています。
また反響という意味では、「人の財布」は多くの"新たな持ち主"のもとへ渡りましたが、そのほとんどの方が、ゲームをただ遊ぶのではなく、「財布を受け取った自分」として物語に参加してくださっています。その熱量に関しても、私たちの想定を遥かに超えていました。
――一種の謎解きゲームとのことですが、謎を解いた人はどのくらい出ていますか
第四境界 「人の財布」にはさまざまなギミックがあり、中には物理的にどうしても時間が掛かってしまうものもあります。最終局面に到達されている方は多くいらっしゃいますが、そういった事情により、完全に物語を紐解くには、もう少し時間が掛かると思われます。
1度目の再販では1分、初回の倍を用意した2度目の再販は3分ほどで売り切れてしまった「人の財布」。現在は受注生産を検討しているとのことです。
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