YouTubeチャンネル「fuyodath / フヨダス」に、ミツバチに砂糖水を飲ませる様子が投稿されました。動画は89万回以上再生され、9500件以上の高評価を獲得しています(記事執筆時点)。ミツバチに砂糖水を飲ませる理由や知られざる生態が面白い!
投稿者はニホンミツバチを飼育し、ハチミツを生産しているフヨダスさん。撮影の少し前にハチミツをたくさん採ってしまったため、今回はミツバチたちに「液糖」を与えるそうです。液糖とは、ミツバチ同士の争いを避けるために使用する砂糖水。蜜を食べるはずのミツバチに、なぜ砂糖水を与えるのでしょうか……?
ミツバチは花の蜜を採取してハチミツを作り出し、巣にためて自分たちの食べ物として利用しています。しかし花が少ない真冬や真夏の時期に巣にある蜜(貯蜜と呼ばれる)が少なくなると、「盗蜂」というミツバチ同士のハチミツの奪い合いが起こってしまうのだとか……!
「蜜源となる花が少ない」「貯蜜が少ない」という“家の中にも外にも食料がない”という2つの条件がそろうとミツバチは略奪モードに入り、他の弱いコロニーを襲ってハチミツを盗み始めるといいます。一度盗蜂モードに入ったミツバチを止めることはほぼ不可能なので、ミツバチを飢えさせないことが一番の盗蜂対策になるそうです。
それでは早速、白砂糖、水、クエン酸、塩を混ぜて作った液糖を常温に戻し、ニホンミツバチに与えてみます。ニホンミツバチは学習能力がとても高いため、液糖の味を一度覚えると2回目からはすぐに飲んでくれるのだとか。フヨダスさんは1時間くらいで飲みきれる量を各コロニーに毎日あげることで、飢えと盗蜂を防いでいるのだそうです。
一生懸命に液糖を飲むニホンミツバチはなんともかわいいですが、液糖に不時着するとおぼれて死んでしまうこともあるといいます。そのため液糖を与える際は浅い器で与えるか、深い器しかない場合は割りばしなどを浮かべてあげると良いそうです。
今回与えている液糖はあくまで飢えを予防し越冬を助けるためのエサ。液糖がハチミツに混ざってしまうため、液糖を与える際はハチミツを採る時期にかぶらないよう注意する必要があるそうです。
その後ニホンミツバチたちは、45分ほどで液糖を完食。たっぷりと注がれていたはずの液糖は、その小さな体のどこに入るのかと不思議になるほどの勢いで消えていったのでした。
ちなみに液糖は強い甘味の中に梅干しのような酸味があり、人間にとってはそれほどおいしいものではないのだとか。ハチミツのほうがおいしいなぁ……と、あらためて思うフヨダスさんなのでした。
なおフヨダスさんは養蜂振興法に従い、適切にミツバチを飼育しています。ミツバチを通年飼育する場合は、必ず各都道府県の家畜衛生保健所へ飼育届を提出しましょう(参考資料)。
こちらの動画には、「ミツバチってこんなかわいかったんだ。彼らが居ないと農業が成り立たないって聞くくらい大事な生き物ですよね」「こんなちっちゃい子達がこんなになみなみ入ってるのを1時間で飲みきれる訳ないだろと思ってたのにみるみるなくなってった凄い。いっぱいお飲み」といった、優しいコメントが多数寄せられています。
フヨダスさんはYouTubeチャンネル「fuyodath / フヨダス」とX(Twitter/@FuyodaK)に、ニホンミツバチを中心としたさまざまな昆虫に関する情報を発信しています。
画像提供:YouTubeチャンネル「fuyodath / フヨダス」
(三日月 影狼)
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