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81歳ポール・マッカートニー、名曲「イエスタデイ」に込められた亡き母への“後悔” 「あんなこと言うんじゃなかった」(1/2 ページ)

世界でもっともカバーされた曲としてギネスに。

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 20世紀を代表するロックバンド「ビートルズ」の元メンバー、ポール・マッカートニーがポッドキャスト「A Life in Lyrics」2月21日配信のエピソードで1965年の楽曲「イエスタデイ」に言及。歌詞「I said something wrong(僕は何か間違ったことを言ってしまった)」のもとになった、亡き母への後悔について語りました。

ポール・マッカートニー、「イエスタデイ」が誕生したエピソードについて語る
1965年に発表された「イエスタデイ」について語る(画像は「A Life in Lyrics」のInstagramから)

ラブソングと見なされていたが…… 「イエスタデイ」誕生秘話

 ポールの母メアリーは、ポールがまだ14歳だった1956年に乳がん手術後の塞栓症のため47歳の若さで死去。これはポールが「イエスタデイ」を書く約10年前のことでした。

 歌詞にある「I said something wrong, now I long for yesterday(僕は何か間違ったことを言ってしまった。今となっては昨日が恋しい)」というフレーズについて、長らく恋愛関係についての後悔と考えられることが多かった同曲ですが、2001年にポールは母との関係からインスピレーションを得たことを明かしています。

 そして今回の番組ではそれが母のしゃべり方をからかったことから生まれた歌詞のように思えると明かしたポール。「ときに、あとから振り返ってみて初めてその良さがわかることがある。僕は母に恥をかかせたことがあって、ある日、自分がとても恥ずかしい気持ちになったことを覚えている」と語ります。

「あんなこと言うんじゃなかった」 母への思いと後悔

名曲「イエスタデイ」

 その日、親子で一緒に裏庭にいたというポールは、「母はとても気品のあるしゃべり方をしていた」と回想。「母はアイルランド系で、看護師で、ストリートレベルよりも上だったんだ」とし、「だから母はちょっと違ったところがある人で、ちょっと気取っているようなしゃべり方をしていた。母の叔母ディリスはウェールズ人で、ちょっとウェールズ訛り風でもあった」と母の話し方や振る舞いについて説明しました。

 母はそのときポールへ「ポール、彼が行くかどうか尋ねーて(ask)くれない?」などと言い、それを聞いたポールは「尋ねえええて! 尋ねえええて! “尋ねて”だよ、ママ」と“ask”のアクセントを強調するようにからかったといいます。

 子ども時代のこととはいえ、自分の口にしてしまった言葉はなかったことにはできないもの。ポールは続けて、「母はちょっと恥ずかしそうにしていた。あとから『ああ、あんなこと言うんじゃなかった』と思ったのを覚えてる。それが心に残っているんだ。母が亡くなったあと、『ああ、くそっ。本当にあんなこと言うんじゃなかった……』って」とその後悔の深さを明かしました。

 「こういうのは、大ごとじゃないからみんな許してくれるとわかっている」としつつも、「ほんのささいなことなんだけど、でもその瞬間を消しゴムで消してしまえればもっと良くなるのに、と考えてしまうようなことがあるんだ」と「イエスタデイ」に織り込まれている“昨日に戻ってなかったことにしたい”と多くの人々が持っているような小さな後悔を、自身もいくつか抱えているとしました。

「知れて良かった」との反応多数 エピソードへの反響

ポール・マッカートニー、「イエスタデイ」が誕生したエピソードについて語る
現在も多くの人にインスピレーションを与えるポール(ポール・マッカートニーのInstagramから)

 英盤公式オリジナル・アルバム5作目となる「ヘルプ!」に収録された「イエスタデイ」は、世界中のミュージシャンによってカバーされており、「世界で最も多くカバーされた曲」としてギネス世界記録に認定。1997年にはグラミー賞殿堂入りを果たしています。

 哀愁を帯びたメロディーと歌詞に多くの人が心を揺さぶられてきた「イエスタデイ」。このエピソードを聞いたファンからは、「20世紀最高のソングライターだよ」「この曲の存在はまさに奇跡だ。ただ3分間立ち止まり、そのメロディーと歌詞のすばらしさ、偉大さに耳を傾けたい」「いつも彼の曲がどこからやってくるのか話しているのを聞くのが好きだ」「この曲は、神から授かったのかと思っていたよ」など曲を愛する人々からのさまざまなコメントが寄せられています。

 また、「サー・ポール・マッカートニーの美しい夢、彼の愛する母がやってきて曲を授けてくれるのさ、レット・イット・ビーとかね」など、やはりポールの母メアリーが夢に現れ口にした言葉がそのままタイトルになった名曲「レット・イット・ビー」(1970年)について語る人も見られました。

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