2022年に俳優を引退したブルース・ウィリスと米俳優デミ・ムーアの三女タルーラ・ウィリスが3月15日、Instagramへ動画を投稿。幼いころの自身の行動を示しながら、最近になって自閉症(ASD)と診断されたことを公表しました。
初公表に反響 診断で「人生が変わりました」
投稿された動画は、父ブルースが俳優としてまだ現役だったころ、幼いタルーラを抱っこしながらマスコミの取材に応じているもの。タルーラは無表情にブルースのスキンヘッドをひたすらなでまわしたり、耳や顔をいじったりと自由に振る舞っています。しかしブルースはそんなタルーラの行動を全く意に介さない様子で、笑顔を浮かべながら質問に回答しているのが分かります。
一見ほほ笑ましい親子のシーンですが、タルーラはこの動画へ「自閉症だとは言わずに、あなたが自閉症だって伝えてみて」と大笑いする顔文字を添えて投稿し、この幼い日の行動が自閉症に特徴的なものだとしました。
タルーラは「子どものころ診断を受けたのか?」とのコメントに「私が自閉症と公表するのは初めてです。この夏に診断を受け、人生が変わりました」と返答。さらりと診断結果を公表しました。その他にも複数のコメントへ積極的に返信していて、何度もブルースの頭をなでるといった行動は、発達障害や自閉症の人がときどき行う“スティミング”という反復行動との指摘を肯定しています。
「もっとこういうものをシェアしてくれたら多くの人のためになると思う」「自閉症の診断を受けた人が何も恥ずかしいことではないことを知るのはとても大切」など、このように自身の診断をオープンにする投稿が同じ状況にある人を助けることになるとタルーラの勇気をたたえる声が並びました。
大人の自閉症 多くの人が実体験をシェアするきっかけになったタルーラの投稿
タルーラの投稿のコメント欄を見る限り、そもそも自閉症は子どものころにしか診断されないと考えていた人も多かったもよう。「大人になって診断されるの? どんな検査を受けるんでしょうか」と、どのような検査を受ければよいのかなど疑問を投げかける人が続出しました。
これに多くの人が実体験をシェアし、コメント欄はたちまち情報交換の場に。「私は55歳で、4人の子どもが(自閉症の)診断を受けたあと、2022年10月に判明し、夫も診断を受けました」「更年期に発達障害の診断を受けたのは47歳のときでした。耳から脳が溶け出してくるように感じた。正しい診断は人生を変えるね」など、大人になってから診断を受けた経験を書き込む人が多数現れ、多くは自身の子どもが診断を受けたことがきっかけだったと述べています。
さらに現在30歳のタルーラは、10代でADHD、2022年には境界性パーソナリティー障害と診断を受けていたことを過去に公表済み。タルーラのようにすでに他の診断が下りていて、他の診断が見逃されてきた女性が近年増えてきているとの意見もみられました。
そもそも自閉症とは?
米国疾患予防管理センターによれば、自閉症は「社会的コミュニケーションや交流に問題を抱えることが多く、行動や興味が制限され、または反復することがある」と説明されており、診断は「血液検査のような医学的検査がなく難しいことがある」とのこと。また、思春期や成人後に診断を受ける場合には、生育過程で適切な支援を受けられないといった問題が生じるとされています。
日本自閉症協会の場合は、「主に社会的なコミュニケーションの困難さや空間・人・特定の行動に対する強いこだわりがある等、多種多様な障害特性のみられる発達障害のひとつ」と説明。不安やストレスに起因して別の精神疾患にかかる二次障害への懸念があるとして、相談窓口を紹介しています。
認知症を患う父ブルースを支える一家
タルーラの父ブルースは、2022年に失語症で俳優を引退し、2023年には家族が前頭側頭型認知症の診断が下りたことを公表。デミと娘たちは、ブルースの現妻エマ・ヘミング・ウィリスとその娘たちと一致団結してブルースを支える姿を示してきました。
しかしタルーラは2023年5月、米『VOGUE』誌へ寄せた手記で、セレブ一家に生まれた苦しみとともに歩んだ半生を回想。ネット上の心ない書き込みがきっかけで“父親ほど才能がない”“母親ほど美しくない”との考えにとりつかれ、身体醜形症を患ったいきさつを明かしています。
そして現在では徐々に自身の居場所を見いだすことができつつあるとつづっていたタルーラ。今回の動画へは、「あなたのお父さんが平然としているところが大好き」「あなたがお父さんの耳で遊んでるのに彼は全然動じないね。すてきな動画」「何てすてきなお父さんだろう。あなたたち2人の優しい思い出だね」など、ブルースの父としての大きな愛を感じたというコメントも多数並びました。
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