シヤチハタの「いろもよう」シリーズ累計100万個の人気 和の色のアート用スタンプ台が生まれたワケ(1/3 ページ)
ペーパークラフトや消しゴムはんこのユーザーから好評。
シヤチハタのスタンプアート向けスタンプパッド「いろもよう」シリーズが、先ごろ累計販売数100万個を突破しました。想定以上の売り上げを記録してきたという人気のシリーズについて、シヤチハタに聞きました。
「いろもよう」は「紅色」「牡丹色」など、日本の伝統色を使ったスタンプパッド。発売から10カ月で当初の年間販売目標の10万個を販売し、2年で30万個を突破と同社予測を超える売り上げを記録し、約4年となる2024年1月に100万個に達しました。
独自のナノテクノロジーを活用したインキや、極細繊維の盤面表布を使っており、繊細な模様も鮮明に表現でき、色鮮やかでくっきり濃い印影を実現する点、乾きが速い点などから、消しゴムはんこやゴム印を使った作品に適していると好評を博しているといいます。
「和の色」を選んだ理由
ネーム印など事務用品のイメージが強いシヤチハタ。アート向けのスタンプパッドを発売したのは、同社の事務用スタンプ台がペーパークラフトや消しゴムはんこユーザーなどに愛用されていたことからと述べています。「(事務用スタンプ台の)品質性能を高く評価していただいていたことから、スタンプアート向けの多色スタンプ台を企画し開発しました」
評価の高いインキの性能はそのままに、容器をアート&クラフト向けに工夫。事務用のスタンプパッドは本体と蓋がヒンジでつながっているのに対し、「いろもよう」では透明のふたで、重ねて保管できるようになっています。
インキの色に「和の色」を選んだのは、アート&クラフト向けのスタンプ台を販売している他社との差別化のため、深みがありエレガントな和風色で展開したとしています。
ユーザーの要望を聞きながらシリーズを展開
「いろもよう」は、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で売り上げを伸ばし、当初より早く年間販売目標を達成。最初に登場した24色が好評で、ユーザーから色数を増やしてほしいという要望があったといいます。そこで同社が投入したのが、好きな色のインキでオリジナルのスタンプパッドを作れる「いろづくり」。
さらにユーザーの要望を聞きながらミニサイズや光沢インキのスタンプパッド、スタンプ後の色塗り向けのペンとバリエーションを展開してきた結果、発売から4年で100万個を突破できたと同社は述べています。
ちなみにミニサイズの「いろもよう わらべ」が、手頃な値段のためか売り上げ好調とのこと。インキの色では墨色、銀鼠色が人気なのだそうです。
「家庭で楽しく便利に使える製品」にも注力
シヤチハタは、今後もユーザーの声を聞きながらシリーズ商品の展開を検討する意向で、「和の色」以外のカラー展開も考えているとのこと。3月には「いろもよう」シリーズではないものの、御朱印帳や表彰状などへの華やかな演出に使えるゴールドとシルバーの「メタリックカラー スタンプパッド」を発売しています。
またハンコ以外では、子どもの手形・足形アート制作キット「First Art(ファーストアート)」や、肉球を汚さずに犬や猫の足形がとれるキット「ぺたっち犬猫用」などが注目されているとのこと。このような「家庭で楽しく便利に使える製品」の開発にも注力していくと同社は述べています。
「今まで取り組んでいない新しい市場の開拓」を常に考えているというシヤチハタ。過去にはネーム印のようなリップを発売したこともありました。今後も事務用品のイメージを超えたユニークな商品の登場に期待です。
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