小学館は6月3日、『セクシー田中さん』ドラマ化をめぐる事案について、特別調査委員会による調査報告書を公開しました。
90ページにわたる報告書では、ドラマ化に至る経緯や脚本の修正についての日本テレビとのやりとり、原作者の芦原妃名子さんが脚本を書くことになった事情についてSNSに投稿する経緯などを説明。
芦原さんがSNSで事情を説明した経緯については、脚本家のSNS投稿に反論したいという芦原さんの要望を受けて、社員3人の確認を経て公開した過程が記されています。「また芦原氏が自分で投稿することを前提としたこともあってか、日本テレビに対する抗議等を含めて小学館として、本件脚本家の投稿に対する対処がなされることはなかった」など、小学館の対応についても書かれています。
また「原作者との脚本家の意図の齟齬」の項では、「日本テレビは、本来、芦原氏の意向を本件脚本家に伝え、原作者と脚本家との間を調整するという役割を果たしていない可能性」「日本テレビ側が原作者の意向を代弁した小学館の依頼を素直に受け入れなかったことが第一の問題であるように思われ」など日本テレビ側が調整役を果たせていなかったとの見解が示されています。
「再発防止策の提言」の項では契約書締結の早期化や窓口の一本化、SNSのリスクへの啓発などが挙げられています。
映像化に関する指針
小学館はあわせて、自社の刊行作品の映像化に関する今後の指針を発表。「映像化許諾を検討するにあたって作家の意思や希望を確認し、その意向を第一に尊重した文書を作成」「映像化の検討段階から正式な許諾段階までの、各段階で文書を作成し、作家に逐一確認」「社内で理解を深めるためのセミナーを実施」が挙げられています。
日本テレビは5月31日に社内特別調査チームによる調査結果を公表しています。
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