沸騰する鍋の中で煮込まれているのは顔……! 能面の一製作のthreadsの鬼気迫る動画が反響を呼び、記事執筆時点で5800件を超えるいいねを集めています。
シュールな光景に「花粉症のときの私」「地獄の何か」
動画を投稿したのは、お面作家の山本博之(@hiromitsu.430)さん。日本の伝統的なお面作りの技を継承している職人で、制作の様子をthreadsの他に、Instagram(@hiromitsu.430)やYouTubeチャンネル「博光HIROMITSU 木彫り面チャンネル」で発信しています。
山本さんが「檜(ヒノキ)の樹脂を取り除く 怖すぎる!」と投稿したのは、グラグラ沸騰する鍋の中で恐ろしい形相の面をゆでる作業。目や口の開口部からは沸騰したお湯が噴き上がり、恐ろしさを増しています。
能面作りに必要な工程ながらシュールすぎる光景に、「穴という穴からワワワワーと沸騰した泡が(笑)」「そのうち噴射して笑いながら家を出ていきそう」「花粉症のときの私」「目に箸を刺さないで」「おめん茹で。アルデンテぐらいがいいのですか? それともクタクタに煮ますか?」などの反応が寄せられています。
また、英語のコメントでも、「これは、地獄の何かかな」「そう、“千の呪い”の面はスープの多くの風味を与えるだろう」と面白がる声が上がりました。
ヒノキのヤニを取り除く理由
山本さんはYouTubeに投稿した能面作りの一連のプロセスを紹介する動画の中で、ヒノキの樹脂(ヤニ)を取り除く作業をより詳しく紹介しています。
この作業は能面師であれば必ず行っていることで、怠ると数年後に面の表面にヤニが油染みとして出てくるそうです。
作業はまず、造形の終わった面を燃料用アルコールに3日間漬け込むことから始まります。それが終わったら次に、沸騰したお湯で5分から10分ほどゆで、ヤニを煮出します。このあたりの作業は経験から得た感覚が生きてくるところです。
そのあとは2週間程度陰干しします。アルコールに漬ける前に重さを測り、陰干しで重さが同じになれば乾燥したと判断する能面師もいるそうです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.