人気ロックバンド「THE ORAL CIGARETTES」が新作の告知のため公式X(Twitter)に投稿した動画が物議をかもしています。告知投稿には、バンド主催のフェスが、5人の負傷者を発生させる事故により中止になったことを伝えるドキュメンタリー映像が使われ、ファンなどから疑問の声が続出。これを受け所属事務所は「お詫び申し上げます」と謝罪しています。
「どういう目線で見たらいいかわからない」
物議をかもしたのは、2025年1月22日にリリースされるアルバム「AlterGeist0000」の完全数量限定盤・初回盤付属Blu-rayを告知した12月18日の投稿。同盤に収録されている「2024 Documentary & Interview」の一部とみられる映像を公開していました。
映像にはバンドの楽曲とともに、10月6日に行われた主催フェス「PARASITE DEJAVU 2024」が、会場での事故により中止になった様子が映され、涙を流すメンバーの姿や当時を振り返る関係者のインタビューが収録されていました。
当該事故では公演中、客席にカメラクレーンが転倒し、5人が負傷。これを受け、バンドは年内のライブ活動を休止していました。
しかし、事故に関するドキュメンタリー映像の一部が商品の告知に使われたことに対し、バンドのファンなどからは「この感覚マジ?」「帰ってきてくれて嬉しい 嬉しいけど...これは...どうなの?」「オーラル流石にあの重大事件を美的にドキュメンタリーにしたのやばすぎるって」「これはアウトやろ」「どういう目線で見たらいいかわからない」「オーラル大好きやからこそこの流れはまじで落胆」「事故を演出のようにして、そこを乗り越えたぞーって美談にしてお金まで稼いじゃうの?」と疑問の声が相次いでいました。
「未熟なところが露呈」
12月19日、バンド公式Xは在籍するMASH A&R名義で文書を発表。「アルバム『AlterGeist0000』完全数量限定盤 初回盤付属 Blu-ray の収録内容の詳細をご案内できていない中で、12月18日(水)にSNSにて公開しましたショートティザー映像により、本映像作品が『PARASITEDEJAVU 2024 DAY2 (事故)のドキュメント』というような内容を連想させてしまい、それらのことから不信や混乱を招く形となったことをお詫び申し上げます。 誠に申し訳ございませんでした」と、投稿について謝罪しました。
同社は各地のイベント出演やアルバムの制作過程、「PARASITE DEJAVU 2024」開催までに至るドキュメンタリーと2024年を振り返るインタビューを映像に収録したと説明。
事故に関する映像を収録したことについては「事故の発生に関わらず、2024年の活動の中で『PARASITE DEJAVU 2024』が一番大きなトピックであり、事故やイベントに関して触れずにドキュメントを成立させることは、事実から目を背けることにも繋がってしまうのではないかとの考えから、イベントのことや事故、その後のことに関するインタビューなども収録させていただいております」としました。
また映像の内容については『事故があったこと、それをどう受け止めたか』という内容が含まれておりますが、事故のハプニング性やその影響力を逆手にとった内容にならないように留意をして、使用する素材や編集を心がけて制作させていただいた」としています。
一方で、Xに投稿した映像については「上記内容をきちんと反映できておらず説明も不足していた」とし、「ご覧いただいた方には誤解と不快な思いをさせてしまい、ライブ活動再開において沢山の応援をいただく中で、 このようなお詫びをさせて頂くこと、 未熟なところが露呈してしまい猛省しております」とあらためて謝罪。
「今後の広報活動、発信におきまして、より慎重に丁寧なお知らせを心がけて運用をして参ります。ご理解の程いただけますと幸いです」とコメントしました。
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