日頃電車やバスに乗る際、ピピッと使う交通系ICカード。大変便利です。
これらのカードはクレジットカードなどと同じ寸法で作られており、縦は54.0ミリ、横は85.7ミリ、厚さ0.76ミリ……厚みは1ミリもありません。
考えてみるとおかしな話です。ICチップが埋め込まれているわけですから、ICカードは電子機器。しかし、電池の入りそうなスペースなどありません。Suicaを充電したという話も聞きません。
かざすだけで使える電子機器、果たしてどういう仕組みなのでしょうか。
電気は改札から供給される
答えから書くと、Suicaは改札のタッチ部分から電気をもらって動いています。
しかし、電気が直接飛んできているわけではありません。タッチ部分は「磁気」を出しているのです(この磁気、有効範囲は半径10センチほどとのこと。「タッチ」が有効な範囲に磁界がある、と考えていいでしょう)。
カードはこの磁気から電気を生み出しているのです。それも、学校で習った仕組みを使って。
これが原理だ! ファラデーの法則
使う科学は「ファラデーの法則」。
簡単にいえば、「コイルの中の磁界を変化させると、コイルに起電力が発生する」というもの。ここでは「変化する磁界から電流を生み出せる」と言い換えましょうか。
改札タッチタイプのICカードの中にはコイルが入っており、変化する磁界に応じて起電力を発します。この電力を使ってSuicaは通信部と情報をやりとりするのです。電池切れの心配はありません。
こんなところにもファラデーの法則
昨今ガスコンロから置き換わりつつあるIHヒーター。ここでもファラデーの法則が使われています。
天板の下では強力な磁場が発生しています。その上にIH対応の鍋などを乗せると、鍋自体がコイルの役割を果たし、電流が流れます。この電流の電気抵抗で加熱が行われるのです。
SuicaとIHヒーター、共に現代生活を彩る先端機器に使われているのは、学校で習う基本法則でした。素晴らしいアイデアは、案外基本的なことから生まれるのかもしれませんね。
制作協力:QuizKnock
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