【西日本版】「人口流出が多い自治体」ランキング! あなたの地域は大丈夫?【2023年最新データ】

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 人口の増減には、人の生死によって起こる”自然増減”と、人の移動によって起こる”社会増減”があります。その地域から出て行った人の数と、入ってきた人の数の差である社会増減を、住民票を基に国が調査したのが「住民基本台帳人口移動報告」。

 この移動人口を見ると、転入超過数が多い地域は人気があるとも考えられますが、さまざまな理由から別の地域へ転出する人も多くいます。

 本記事では、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」を運営するLIFULL協力のもと、『西日本の「人口流出が多い自治体(※政令指定都市)」ランキング』を紹介します。

 このランキングは、総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告を基に、LIFULL HOME’S総研が集計したもの。集計および分析を担当した副所長かつチーフアナリストである中山登志朗さんにお話をお聞きし、転入超過数が多い、少ない要因について説明してもらいました。

中山登志朗(なかやまとしあき)……LIFULL HOME’S総研 副所長 兼 チーフアナリスト。出版社勤務を経て、1998年よりシンクタンクにて不動産マーケット分析、知見提供業務を担当。不動産市況分析の専門家としてテレビ、新聞、雑誌、ウェブサイトなどメディアへのコメント提供、寄稿、出演を行うほか、年間数多くの不動産市況セミナーで講演。2014年9月にHOME’S総研(現:LIFULL HOME’S総研)副所長に就任。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任。(一社)安心ストック住宅推進協会理事。

画像:LIFULL HOME’S総研

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

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調査概要

調査期間2023年1月1日 ~12月31日
調査エリア西日本の政令指定都市
集計方法総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告を基に作成

※本ランキングは、総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告を基にLIFULL HOME’S総研が作成したものです。

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【西日本版】「人口流出が多い自治体」ランキング

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第2位:広島市(-3795人)

 第2位は「広島市」でした。広島県庁や広島県警察本部、銀行の本支店などが多くあり、金融・ビジネスの中心地となっている広島市中区、広島東洋カープの本拠地「Mazda Zoom-Zoom スタジアム広島(マツダスタジアム)」などがある広島市南区などを有している広島市。

 そんな広島市の2023年の「転入超過総数」は-3795人。つまり3795人の「転出超過」となっています。世代別に見ると、20~34歳が-1801人と転入超過数が最も少なく、次いで35~59歳は-1028人、0~19歳が-667人、60歳以上が-298人と、すべての年代で「転出超過」となっています。

【中山登志朗さんはこう見る】

 東日本では20~30代前半の単身若年者層が東京周辺に集まっていましたが、それと同様に、西日本では各地から大阪周辺に人が集まっているといえるでしょう。広島や岡山からは大阪はもちろん、福岡へ移住することも多い。総数は少ないですが、東京に転居しているケースもあるでしょう。東京は本社機能を持っている会社が一番多いため、全国から人が集まる地域です。こうした背景から、広島では約3800人の転出超過となっています。

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第1位:神戸市(-4232人)

 第1位は「神戸市」でした。兵庫県の県庁所在地である神戸市には、兵庫県庁や神戸市役所などが所在。神戸港の開港と共に発展を続けてきた地域で、観光名所や重要施設が集中するエリアです。

 そんな神戸市の2023年の「転入超過総数」は-4232人。つまり4232人の「転出超過」となっています。世代別に見ると、20~34歳が-3477人と転入超過数が最も少なく、次いで35~59歳が-407人、0~19歳が-247人、60歳以上が-101人と、すべての年代で「転出超過」となっています。

【中山登志朗さんはこう見る】

 神戸市が大きくマイナスになっている理由として、若年単身者層が専ら大阪に吸い寄せられている可能性があります。広島や岡山と同じく、多くは大阪や福岡に、そして東京に転居しているケースもあるでしょう。県内に就職したい企業が少ないなどさまざまな要因が考えられますが、広島、神戸ともに全世代で転出超過となっており、人口としては厳しい状況にありますね。

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【中山登志朗さん総評】

 大阪市は約1万3000人、福岡市は約9000人の転入超過となっており、この2市は九州のみならず西日本全土から人が集まってくる地域です。大阪はもちろん、福岡は今非常に活気があり、若者に人気がある街でもあります。福岡に本社がある企業に就職したり、また、大学も多いため卒業してそのまま福岡で就職というケースが多いのでしょう。企業の勤務者の平均年齢が一番低いのが福岡といわれています。

 また、世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)が子会社を設立し、熊本県菊陽町に工場を建設すると発表したのが2021年。熊本市はそれまで転出超過が続いていましたが、ここ1~2年は転入超過になっているので、半導体事業が人口にも大きな影響を与えているといえるでしょう。工場があるのは熊本市の隣町ですが、生活利便性の面から熊本市に住んでそこから車などで通うケースもあるようです。そのような要因から、西日本では大阪市、福岡市、名古屋市といった都市部と、熊本市の4地域が「転入総数超過」となりました。

 ランキングの全順位は、次のページからご覧ください!

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