時を超えたブーメラン! まーちゃん、事務総長解任……『いだてん』第44話、ネット上の反応は?
INDEX
今週の「いだてん」放送直前のおさらい! 前週の内容と評価をお届けします。
1964年、東京オリンピック開催。それを実現させるために奔走した金栗四三、田畑政治の姿を脚本家宮藤官九郎が描きました。主人公が1部、2部で交代する構成や数多くの伏線が張り巡らされたストーリー展開で話題のいだてん。終盤になり、いよいよ物語は盛り上がっています。
「いだてん」第44話(11/24放送)のあらすじ
1962年アジア大会。開催国インドネシアが台湾とイスラエルの参加を拒んだことが国際問題に発展。ボイコットする国も出る中、田畑(阿部サダヲ)率いる日本選手団は参加を強行、帰国後に猛烈なバッシングを浴びる。
川島(浅野忠信)は田畑の事務総長解任に動く。脳出血で半身まひを患った志ん生(ビートたけし)は高座復帰を目指しリハビリに励む。五りん(神木隆之介)との落語二人会を企画し、それを目標とするのだが──。 (『いだてん』公式サイトより)
「いだてん」第44話のネット上での評価
ネット上での『いだてん』第44話の評価は、「ポジティブ」が 90.6%となりました。 『あと4回で終わってしまう……』 といった声が多数ありました。
第44話最大の盛り上がりポイントは20:40頃
事務総長解任後、一人沈む田畑の独白シーン。“命より大事なオリンピック取り上げられて、てめぇが敷いたレールを知らねぇ奴がぁ走んだよ、面白くねぇよ……”と、流れるような江戸弁で、無念の想いを語る光景に多くの視聴者が反応。第44話中、最大の盛り上がりを見せました。
ぼくたちの失敗
第44話のサブタイトルは『ぼくたちの失敗』。この失敗がいつを指し示すのか? それは作中、田畑自身が約30年前の高橋是清を説得して、五輪参加選手の派遣費用6万円の予算を手に入れた時だと気付きます。これに対し、「まーちゃんはブーメランを投げてしまった」や「過去の間違いの大本に気づいたまーちゃん」「スポーツの大切な何かを売り渡した代価」など、人生訓のように噛みしめる人が多数。その時、田畑が高橋是清に語った“金を出して、口も出したらいい”という言葉は、まさに時を超えたブーメランだと言えそうです。
フィクションの主人公であれば、絶体絶命の窮地の際には何かしらの打開策を見出し、回避するものですが……いだてんは史実。神風が吹くことなく、その後、田畑は自分がスポーツと結びつけてしまった政治によって失脚することに。こうした一連の流れを受けて、「主人公がしっかりと泥をかぶる」という点で、いだてんに魅了されていると考察する人の姿や、「まさに大河の王道の敗者の物語」だとする声が。また、30年以上も前の事をしっかりと思い出せる田畑はスゴいという声も一部で見られました。
当時の議事録を再現した参考人招致
結果として田畑は、事務総長という役職を解任されましたが、それまでのプロセスとして参考人招致シーンが描かれました。ここで注目を集めたのは、当時の議事録の存在。「セリフの一つ一つは全部本物、克明に記録に残されている」といったものや、「台詞自体は議事録に残っていた全部本当のやりとり」といったツイートが。当時を物語る本物の記録だからこそ、より緊迫感のあるシーンになったと感心しているようです。
また、新聞やマスコミの偏向報道により、田畑が戦犯扱いされたことに「当時と何も変わっていない」や「今のマスコミもかわらんなぁ」と、現代の問題に置き換えて嘆く人が多数。さらに、第44話では何かと怒っていた印象の強い岩田ですが、やまない田畑バッシングに激昂する岩田。どうすることもできず絶望する岩田。失意の田畑に優しい笑顔と声を掛ける岩田。と岩田役『松坂桃李さん』の魅力が炸裂していた回との声も見られました。
バッシングの嵐、のち、晴天の霹靂
アジア大会を強行出場したことで、自身の立場を悪くした田畑。いつの間にか世間の風向きは、事務総長である田畑がすべて悪いという流れに。これに対し、河野一郎が作中で使った言葉を引用し、「日本人って、美談よりもゲスな醜聞が大好き…」といった声が。また寝転びながら、テレビ画面に映る田畑を笑い飛ばす今松の態度に「腹が立つけどこれはぼくら」といった声も。多くの視聴者が、マスコミの偏向報道も、すぐに戦犯と口にする国民も、すべては脚本家のクドカンが視聴者に向けたシニカルなジョークだと感じているようです。
その後、日本中からバッシングされるも、田畑自身は東京五輪開催に意欲を示し続けていた時、事態は急変。事務総長を解任されます。記者会見の席で語った“辞めたくないんだ。いいかい、俺はやりたいんだ”という言葉を引用し、田畑の無念さを代弁するツイートが数多く見られました。また失意の田畑のもとへ、岩田をはじめとして苦楽を共にした仲間たちが訪ねてきたシーンでは、「マンガとかで、主人公がピンチなときに仲間達が駆けつけるやつじゃん」と涙するツイートが。
まとめ
アジア大会の強行出場から始まり、日本中からのバッシング、参考人招致、事務総長解任とスピーディーながら、激動の展開を迎えた第44話。史実だけあって、随所に当時やり取りされた本物の台詞が仕込まれていたのも緊張感を生み出すことに。視聴者側は憎き川島。画面の向こう側は田畑はとんでもないやつだ! という、両極端な意見が画面越しに向き合った45分間となりました。
注目の次回は……
計画通り、津島、そして田畑を東京五輪誘致の表舞台から引きずり下ろした川島。これにより、東京五輪は政府の国家事業としての取り組みが決まりました。一方、事務総長を解任された田畑家には、岩田や松澤の姿が……。第45話も見逃せません!
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