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2019年の「黒字リストラ」対象者が前年度の3倍に。「明日は我が身」「そんな企業で頑張って働けない」と批判的な声多数

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 2020年1月13日、好業績下あっても人員削減策を実施する 「黒字リストラ」の対象者が2019年では大幅増加したことが話題となっています。

  東京商工リサーチの調査によると、2019年1~11月に早期・希望退職者を募集した上場企業36社で対象人数は1万1351人(判明分)となりました。これは過去20年間で社数、人数ともに最小を記録した2018年と比べると、社数が12社から3倍、人数も4126人から約3倍増えたそうです。

 また、日本経済新聞社が早期・希望退職者を募集した上場企業35社の業績を分析したところ、全体の57%に当たる20社が直近の通期最終損益が黒字だったそうです。

きっかけとなった記事

「黒字リストラ」の評価は?

 「黒字リストラ」に関するネット上の反応は、ポジティブな反応が36.4%となりました。6割以上がネガティブな反応を示し、批判的な反応が多く寄せられました。

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「黒字リストラ」の盛り上がりは?

  1月13日の10時ごろに強く注目され始め、トレンド件数は12時台がピークとなっています。

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『黒字リストラ』=『企業の新陳代謝』

 企業の業績が黒字なのに、なぜリストラを行うのでしょうか?

 特に黒字リストラが目立ったのは製薬業界と電機メーカーでした。AIの発達によって一番影響を受けると言われている製薬業界、高度な技術で世界と競い合う電機メーカー。これらは実際に経営状況が変化しています。

 日本経済新聞社によると、中外製薬は2018年12月期に純利益が2期連続で過去最高を更新しましたが、2019年4月に45歳以上の早期退職者を募集して、172人が応募。アステラス製薬も2019年3月期の純利益は前期比35%増のなか、3月までに約700人が早期退職したといいます。中外製薬は「従来の技術や専門性で競争力を保つのは難しい」と人材配置の適正化を急いでいるそうです。

 一方で電機メーカーには、多くの早期退職者を募集しているにも関わらず、高度な技術を持つ新入社員を取り込むため、高額な報酬で競い合う企業も。NECや富士通は、1000人規模のリストラを実施しましたが、新入社員や若手の能力に応じて、NECは最大で年収1000万円を出す制度を導入し、富士通は最高で4000万円を出す構想があるそうです。

 こうした黒字リストラの動きを企業の「新陳代謝」だとする声が見られました。経済コラムニストの横山信弘さんが13日に発表したコラムで、「人員の新陳代謝」であると表現しています。

 技術の進歩で社会のあり方が変わっている中、高い専門的な知識や技術が必要な企業は、どんどん変わっていくでしょう。こうした黒字リストラは若者にとって、大きなチャンスであるとも言えます。

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「怖い」「明日はわが身」と将来を不安視する声

 ネット上では「黒字リストラ」に関してのネガティブな意見が目立ちます。「家庭を持った40代でリストラされるのは怖い」や「明日は我が身」など、自分がリストラの対象にされることを不安に感じている人が多いようです。

  また、「黒字リストラ」を行う企業に対して、「誰が頑張って働こうと思うのか」と働くモチベーションが低下するとの声も寄せられました。

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年功序列ではなく、実力主義の社会となる流れを受け入れる意見

 ネット上では少数意見である、「黒字リストラ」に前向きな意見をまとめると、年功序列から実力主義の社会になることを期待している声が多く見られました。

  「実力主義の社会が普通」「主体性が大事になることには同意」といった好業績での人員削減の動きを受け入れる意見も寄せられました。また、「これからを見据えて何をするか考えている」 と、年功序列・終身雇用が廃止される流れへの対策を個人として見直そうとする意見もありました。

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「黒字リストラ」に喜んでいる場合ではないという声

 黒字リストラを歓迎する立場への反論も多数寄せられていました。「『無能は切れ!』というツイートもあるが自分が『無能でない』自信はどこからくるのだ」と自分たちが切られる立場にある可能性を示唆する意見がありました。

 また、20年前のバブル崩壊後に不況リストラが起きたことを例に挙げ「『黒字リストラ』に喜ぶ若手は20年後同じ目に遭う」と予測する声や、「大企業が儲かれば日本全体の景気が良くなるわけではなかった」と雇用形態の変化を批判する声がありました。

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まとめ

 勤めている企業が黒字経営であっても、「黒字リストラ」によって退職を促される流れが迫っているようです。

 ネットの声では、「怖い」「明日は我が身」と不安視する声や「景気は良くならない」と批判する声とともに、これからの実力主義の世の中に対応するべきという前向きな受け止め方も見られました。

調査概要

調査期間2020年1月13日
調査対象Twitter
調査件数5357 件(10%サンプリング)
調査キーワード 黒字リストラ
調査方法対象期間のTweetを「SocialInsight」によるテキストマイニングにより分析
備考実数に近づけるため件数を100%に補正

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